太宰治 『人間失格』 「やめる。あしたから、一滴も飲まない」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 太宰治 『人間失格』

現代語化

「やめる。明日から一滴も飲まない」
「本当?」
「絶対やめる。やめたら、ヨシちゃん、俺の嫁になってくれる?」
「モチよ」
「もちろん」
「よし。約束ね。絶対やめる」
「ヨシちゃん、ごめん。飲んじゃった」
「あら、イヤよ。酔ったフリなんてして」
「いや、本当なんだって。本当に飲んだんだよ。酔ったフリなんかしてない」
「からかわないでよ。最低」
「見ればわかるでしょ。今日も昼から飲んだんだから。許してね」
「演技が上手いねえ」
「演技じゃないよ、バカ。キスしてやる」
「してよ」
「いや、俺は資格がない。嫁にもらうのも諦めなきゃいけない。顔見なさい、赤いだろ? 飲んだんだよ」
「それって、夕日が当たってるからよ。取り繕わないでよ。昨日約束したんでしょ。飲むはずないじゃないの。約束したんですもの。飲んだなんて、嘘、嘘、嘘」

原文 (会話文抽出)

「やめる。あしたから、一滴も飲まない」
「ほんとう?」
「きっと、やめる。やめたら、ヨシちゃん、僕のお嫁になってくれるかい?」
「モチよ」
「勿論」
「ようし。ゲンマンしよう。きっとやめる」
「ヨシちゃん、ごめんね。飲んじゃった」
「あら、いやだ。酔った振りなんかして」
「いや、本当なんだ。本当に飲んだのだよ。酔った振りなんかしてるんじゃない」
「からかわないでよ。ひとがわるい」
「見ればわかりそうなものだ。きょうも、お昼から飲んだのだ。ゆるしてね」
「お芝居が、うまいのねえ」
「芝居じゃあないよ、馬鹿野郎。キスしてやるぞ」
「してよ」
「いや、僕には資格が無い。お嫁にもらうのもあきらめなくちゃならん。顔を見なさい、赤いだろう? 飲んだのだよ」
「それあ、夕陽が当っているからよ。かつごうたって、だめよ。きのう約束したんですもの。飲む筈が無いじゃないの。ゲンマンしたんですもの。飲んだなんて、ウソ、ウソ、ウソ」


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