宮本百合子 『従妹への手紙』 「子供たち!」…
青空文庫現代語化 Home > 書名リスト > 宮本百合子 『従妹への手紙』 >
GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
正しく現代語化されていない可能性もありますので、必ず原文をご確認ください。
青空文庫図書カード: 宮本百合子 『従妹への手紙』
現代語化
「子供たち!」
「ちょっと静かにしてください。そして、私の言うことを聞いてください」
「今日、地下室の窓ガラスをボールで割った人がいます」
「もちろん、誰が割ったのかわかってます。私はそれを信じてますよ。でもね、子供たち! あの割れたガラスはすごく厚い良いガラスで、特別地下室のために作られたものだったんです。残念なことにそれが割れました。 私たちは新しいガラスを買わなければいけないんですが、それは簡単じゃないんです。まずすごくお金がかかる。それから、第2に、今ソ連はみなさんご存知の通り「5カ年計画」をやっています。モモスクワに、新しい建物や工場がたくさん建って、どの建物にもガラスが大量に必要なんです。だからモスクワのガラスの生産量は、私たちの必要をやっと満たしているくらいで、一枚のああいう特別なガラスは今急に手に入らないんです。間に合わせに、私たちはあそこに普通のガラスを入れましょう。でもそれは薄いから、今よりもっと割れやすいんです。みんなで気をつけてください。地下室のガラスが割れて雪や雨が入ると、家がひどく傷むんです。――わかりましたね?」
原文 (会話文抽出)
「子供たち!」
「一寸しずかにして下さい。そして、私のいうことをきいて下さい」
「誰か、きょう、地下室のガラス窓にボールをぶつけてこわした人があります」
「もちろんそそうでこわしたのはわかっています。私はそれを信じていますよ。けれどもね、子供たち! あの破れたガラスは非常に厚いいいガラスで、特別地下室のために製造されたものだったんです、残念なことにそれがこわれた。 わたしたちは新しいガラスを買わなければならないんですが、それは楽ではないんです。第一大変お金がかかる。それから、第二には、今ソヴェト同盟はみなさんの知っているとおり「五ヵ年計画」」をやっています。モスクワに、いくつとなく新しい建物、工場が建って、そのどの建物にもガラスがどっさりいるんです。だからモスクワのガラスの生産力は、われわれの必要をやっと充しているので、一枚のああいう特別のガラスは今急に手に入らないのです。間にあわせに、わたし達はあすこへ普通のガラスを入れましょう。でもそれは薄いから、先よりもっとこわれ易いんです。どうぞみんなで気をつけて下さいね。地下室のガラスがこわれて雪や雨の水が入ると、家はひどくいたむんです。――わかりましたね?」
青空文庫現代語化 Home > 書名リスト > 宮本百合子 『従妹への手紙』 >
青空文庫現代語化 Home リスト