宮本百合子 『五ヵ年計画とソヴェトの芸術』 「どうだね、一つここんところの壁へ何かかけ…
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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『五ヵ年計画とソヴェトの芸術』
現代語化
「どうよ、ここらへんの壁に何か飾った方がいいと思わないか？」
「賛成」
「そういえば町ソビエトの倉庫に、昔の絹問屋の客間にあったってデカい絵があるんだぜ」
「ふーん。どんな絵なんだい？」
「なんでも黒い髪を流した女が踊ってるんだ、半分裸でよ。その女の前にある皿に、男の首が乗ってるんだ」
「俺たちはそんな絵はいらねぇよ。首チョンパなんて！ 欲しいのは、例えばうちの工場がバリバリ働いてる絵とか、ウダールニクとか騎兵の活動とかを描いたもん――つまり、俺たちの社会主義建設の記念になる絵が欲しいんだ」
「賛成！」
「同意！」
原文 (会話文抽出)
「どうだね、一つここんところの壁へ何かかけた方がいいと思わないか？」
「異議なし」
「町ソヴェトの倉庫んなかに、元絹問屋の客間にあったっていう、でっかい絵があるぜ」
「ふーむ。どんな絵だい？」
「なんでも黒い髪をたらした女が踊ってるんだ、半分裸でよ。その女の前にある皿に、男の首がのっかってるんだ」
「俺等そんな絵にゃ用がないよ。ちょんぎられた首なんぞ！ 欲しいのは、例えばだナ、うちの工場が盛に働いてるところを描いた絵や、ウダールニクだとか軽騎隊の活動だとかを描いたもん――つまり、われわれの社会主義的建設の記念となる絵がほしいじゃないか」
「異議なし！」
「賛成！」
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