宮本百合子 『「インガ」』 「時間を与えとくれ、ミーチュシカ、私たちは…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『「インガ」』

現代語化

「時間をくれ、ミーチュシカ、俺たちはミチカのようなもんでない、もっと良くなるよ。少しずつ、少しずつ、ましになってくさ。俺たちの骨はあいつらより太いんだから、もっと強くなるさ」
「全部元通りにしよう!」
「ワーリャとお前は、俺にとって唯一の本物の家族だ」
「――元みたいには、ミーチャ、もう無理よ。…ミーチャ。私はワーリャに父親を持たせてあげたい。それはあなたに正直に言うわ…あの子もいい子になってきたし」
「――そして私も独り身で生きたくない。だけどね、ミーチャ、私はバカで、あなたには追いつかないけど、でもそんな風に生活をぐちゃぐちゃに壊したくない。正直に言いますね、私はもう昔の私じゃないんです。前は、本当にあなたといることばっかり考えてた。そのためにばっかり生きてて、いろんな仕事に追われてた。でも今はそうじゃなくなってきたんです。…私と暮らす――それもいい。私と暮らさない…それがどう? 私には自分の道があるわ。全て元通りに? いいえ、タワーリシチ、ミーチュシカ! 川は逆には流れないし、私は昔の私にもう戻れないんです」

原文 (会話文抽出)

「時間を与えとくれ、ミーチュシカ、私たちはお前さんのインガのようじゃない、もっとよくなるよ。少しずつ、少しずつ、ものになって行くのさ。私たちの骨はあのひとよか太いんだから、もっと強くなるさ。」
「総てを元どおりにしよう!」
「ワーリカとあんたとは俺にとってたった一つの、ほんものの血縁だ。」
「――元みたいには、ミーチャ、もうなれないよ。……ミーチャ。私はワーリャに父さんを持たしてやりたい。そりゃお前さんに真直ぐ云うよ。……だがあれもいい子になって来た。」
「――そして私も独りもんじゃ暮したくない。でもね、ミーチャ、私は馬鹿で、あんたには追いつかないけれど、でもそんな風に暮しをごちゃごちゃにこわしたくない。 ありどおりお前さんに云うよ、ね、私は先のような私じゃないんです。元は、ほんとにあんたといることばっかり考えてた。そのためにばっかり生きて、ごたごた仕事に追い立てられていた。ところが今ではこういうようになって来た。……私と暮す――それもいい。私と暮さない……それがどう? 私には自分の道がある。すべて元通りに? いいえ、タワーリシチ、ミートシカ! 川は逆に流れない、私は元の私にはなれないんです。」

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