海野十三 『ふしぎ国探検』 「ポーデル博士。またきました」…

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青空文庫図書カード: 海野十三 『ふしぎ国探検』

現代語化

「ポーデル博士。また来ました」
「おう、東助君にヒトミさん。よく日を間違えずに来ましたね」
「毎月不思議な国探検の日の来るのを、待ちかねているんです」
「そうですか。私は、変なところばかり、君たちに見せます。いやになりませんか?」
「いいえ。僕は、もっともっと不思議な国を見たいです」
「私も、そうよ。先生が案内して下さる不思議な国は、今まで話に聞いたこともないし、本で読んだこともない所ばかりで、本当に不思議な国ばかりなんですもの。今日はどんなところへ連れて行って下さるかと、ほんとに待ちかねてますわ」
「ほッほッ。そうですか。実は、君たちには、少し難しい過ぎるのではないかと、私は心配しています。でも新しい日本の子供さんたちには、ぜひ見ておいてもらいたいものばかりです」
「ポーデル博士。僕たちが腰を抜かすほどの大不思議な国へ連れて行ってください」
「今日は、どこですかの?」
「ほッほッ。君たち、今日は大変先を急いでいますね。それでは、すぐ出かけましょう。今日は、のぞき窓を開けますから、その窓から外を見ているとよろしいです」

原文 (会話文抽出)

「ポーデル博士。またきました」
「おう、東助君にヒトミさん。よく日をまちがえずにきましたね」
「毎月ふしぎの国探検の日のくるのを、待ちかねているんです」
「そうですか。わたくし、へんなところばかり、君たちに見せます。いやになりませんか」
「いいえ。ぼくは、もっともっとふしぎな国を見たいです」
「あたしも、そうよ。先生が案内して下さるふしぎの国は、今まで話にきいたこともないし、本で読んだこともない所ばかりで、ほんとにふしぎな国ばかりなんですもの。今日はどんなところへつれていって下さるかと、ほんとに待ちかねてますわ」
「ほッほッ。そうですか。じつは、君たちには、すこしむずかしすぎはしないかと、わたくし心配しています。しかし新しい日本の子供さんがたには、ぜひ見ておいてもらいたいものばかりです」
「ポーデル博士。ぼくたちが腰をぬかすほどの大ふしぎ国へつれていって下さい」
「今日は、どこですの」
「ほッほッ。君たち、今日はたいへん先を急いでいますね。それでは、すぐでかけましょう。今日は、のぞき窓をあけますから、その窓から外を見ているとよろしいです」

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