海野十三 『ふしぎ国探検』 「お待ちどうさま、三等機関士さん。どっちも…

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青空文庫図書カード: 海野十三 『ふしぎ国探検』

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「お待ちどうさま、三等機関士さん。どっちも上等だよ。頬っぺたが落ちないように。…ほほほほ」
「今日は、食堂は暇だね」
「もう5分もすれば交代時間だから、みなさんいらっしゃると思うわ」
「ああ、そうか。僕は修理で時間外に働いたから早く終わって出てきちゃったんだ」
「どこを直してたの?」
「超音波の発生機さ。困ったよ。今度故障すると、人工重力装置が効かなくなると思うよ。そうしたら大変だよ」
「そうすると、どうなるの?」
「そうするとね、今ちょうど地球の引力と月の引力が釣り合ってる重力平衡圏を俺たちのギンガ号は飛んでるんだけど、もし人工装置が効かなくなると、艇内に重力ってものがなくなって、皿が飛び跳ねたり、天井に足が付いちゃったり、大変なことになるよ」
「まあ、大変ね。そんなことになっては困りますわ。なんでもっと安全なように艇を作っておかなかったんでしょう?」
「人工重力装置は絶対に故障を起こさないものとしてあったんだけど、昨日大きな隕石が艇の機関室の外側にぶつかったことは知ってるよね。あれ以来、どうも調子が良くないんだよ」
「困ったわねえ。重力は停電みたいに、ピシャッと消えちゃうものなの?」
「いや、ジワジワと重力が弱くなってくるだろう。でも7~8分立てば重力は完全に消えるだろうね」
「ああ、いい香り。うまいぞ、このパイ缶は。…おや」
「どうなさったの、三等機関士さん」
「体が急にフワッと軽くなった。あなたはどう。そう感じない?」
「あらッ、変よ。私も、体がフワッと軽くなりました。どうしたんでしょうか?」
「いよいよ、おいでなすったんだ」
「えっ、何がおいでなすったのですの?」
「人工重力装置が故障になったに違いない、重力がだんだん消えていく。あッ体が浮き上がってくる」
「あら、まあ。どうしましょう」
「なあに心配することはない。大丈夫。ただ、いろんなものが動き出すからね。…あッ、ほら、缶詰の中からパイナップルの輪切りになったのが、ゾロゾロと外へせり出してきた」
「あれッ。パイナップルのオバケ!」

原文 (会話文抽出)

「お待ちどうさま、三等機関士さん。どっちも上等の品ですよ。ほっぺたが落ちないように。……ほほほほ」
「今日は、食堂はひまなんだね」
「もう五分もすれば交替時間ですから、みなさんいらっしゃると思うわ」
「ああ、そうか。僕は修理で時間外に働いたから早く終ってでてきたんだ」
「どこを直していらっしたの」
「超音波の発生機だ。困ったよ。こんど故障を起すと、人工重力装置がきかなくなると思うね。そうしたら一大事だよ」
「そうすると、どうなりますの」
「そうするとね、今ちょうど地球の引力と月の引力が釣合っている重力平衡圏をわがギンガ号は飛んでいるんだが、もし人工装置がきかなくなると、艇内に重力というものがなくなって、皿がとんだり、天井に足がついたり、たいへんなことになるよ」
「まあ、たいへんね。そんなことになっては困りますわ。なぜもっと安全なように艇をこしらえておかなかったんでしょう」
「人工重力装置はぜったいに故障を起さないものとしてあったんだが、昨日大きな隕石が艇の機関室の外側へぶつかったことを知っているね。あれ以来、どうも調子がよくないんだよ」
「困ったわねえ。重力は停電のように、ぴしゃりと消えちまうものなの」
「いや、じわじわと重力がへってくるだろう。しかし七八分たてば重力は完全に消えるだろうね」
「ああ、いい匂いだ。うまいぞ、このパイ缶は。……おや」
「どうなすったの、三等機関士さん」
「からだが急にふわっと軽くなった。あんたはどう。そう感じない」
「あらッ、へんよ。あたしも、からだがふわっと軽くなりました。どうしたんでしょうか」
「いよいよ、おいでなすったんだ」
「えっ、何がおいでなすったのですの」
「人工重力装置が故障になったにちがいない、重力がだんだん消えていく。あッからだが浮きあがってくる」
「あら、まあ。どうしましょう」
「なあに心配することはない。大丈夫。ただ、いろんなものが動きだすからね。……あッ、ほら、缶詰の中からパイナップルの輪切になったのが、ぞろぞろと外へせりだしてきた」
「あれッ。パイナップルのお化け!」

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