GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 太宰治 『犯人』
現代語化
「兄さんは?」
「出かけてます」
「どこへ?」
「集まり」
「また、飲みだな?」
「姉さんいるだろ」
「うん、2階にいると思う」
「上がるぜ」
「貸してもいいって、兄さんは言ってたよ」
「そう言ったかもしれないけど、あの人の一存じゃ、決められないよ。私の都合もある」
「どんな都合?」
「そんなこと、あなたに言う必要ない」
「パンパンに貸すのか?」
「そうでしょう」
「姉さん、俺今度結婚するんだぜ。頼むから貸してくれ」
「あなたの給料はいくらなの?自分一人でも食べていけないくせに。部屋代が今どれぐらいか、知ってるのかい」
「そりゃ、女の人からも、いくらか助けてもらって、……」
「鏡見たことある?女にみせられる顔かね」
「そうか。いい。頼まない」
「姉さんが必要だって。貸して」
原文 (会話文抽出)
「や、いらっしゃい。」
「兄さんは?」
「おでかけです。」
「どこへ?」
「寄り合い。」
「また、飲みだな?」
「姉さんはいるだろう。」
「ええ、二階でしょう?」
「あがるぜ。」
「貸してもいいって、兄さんは言っていたんだよ。」
「そりゃそう言ったかも知れないけど、あのひとの一存では、きめられませんよ。私のほうにも都合があります。」
「どんな都合?」
「そんな事は、お前さんに言う必要は無い。」
「パンパンに貸すのか?」
「そうでしょう。」
「姉さん、僕はこんど結婚するんだぜ。たのむから貸してくれ。」
「お前さんの月給はいくらなの? 自分ひとりでも食べて行けないくせに。部屋代がいまどれくらいか、知ってるのかい。」
「そりゃ、女のひとにも、いくらか助けてもらって、……」
「鏡を見たことがある? 女にみつがせる顔かね。」
「そうか。いい。たのまない。」
「姉さんが要るそうだ。貸して。」