海野十三 『断層顔』 「今の僕のやり方でよかったですか」…

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青空文庫図書カード: 海野十三 『断層顔』

現代語化

「今の僕のやり方はよかったですか?」
「よかったよ」
「それならよかったけど……でもおじさん、あれじゃ碇に怒鳴られただけで、全然収穫がありませんよ」
「君はどう思う?」
「僕はいろいろと新しいことを知りました」
「え、新しいことですか。どんなことですか?」
「あなたもわかってると思うんですが、あの二人はちゃんと同居してました」
「それは僕だってわかってる……」
「それからシズカ夫人は碇さんを誇りに思ってるけど、碇さんはそうじゃなくて、探検隊員として宣伝されるのを嫌がってること――これが僕にとっては一番の収穫でした。それによって、これからすぐに訪問しなきゃいけない場所ができました」
「面白いですね。どこへでもお供します。でもおじさん。事件の本筋から外れませんか?だって碇さんのことを調べたって、シズカ夫人につきまとう恐ろしい顔の男は解決されないでしょうから……」
「まあ、ついてきなよ。とにかく何でもいいから、気になることが見つかったら、それをまず解決するのがこの道の極意なんだ。意外とそれが、直接的な大きなヒントを教えてくれることがあるんだよ」
「またおじさんの経験論ですか?それは古いですよ。統計なんて大抵偶然の集まりでしょう?確率論で簡単に片付けられる無価値なものですよ」
「条件をうまく整理すれば、そんなに無価値じゃない。まあ、行こうか」

原文 (会話文抽出)

「今の僕のやり方でよかったですか」
「結構だった」
「そんならいいが……しかしおじさま、あれだけでは碇に怒鳴りつけられただけで、さっぱり収穫はないじゃないですか」
「君はそう思うかね」
「私はいろいろと新しいことを知った」
「え、新しいことをですか。どんなことです。それは……」
「君にも分っていると思うんだが、あの二人は正に同居していたこと」
「そんなことなら僕だって分る……」
「それからシズカ夫人は碇氏を誇りとしていること。ところが碇氏はそうでなくて、探険隊員のことで宣伝されるのを厭がっていること――このことが私には最も大きな収穫だった。それによって私は、これからすぐに訪問しなければならない所が出来た」
「面白いですね。どこへでもお供します。しかしおじさま。事件の本筋を離れるんじゃありませんか。だって碇氏の方のことを調べたって、シズカ夫人につけまとう恐ろしい顔の男の方は解決されないでしょうから……」
「まあ、私について来るさ。とにかく何でもいいから、腑に落ちないものが見つかれば、それをまず解決して行くのがこの道の妙諦なんだ。案外それが、直接的な重大な鍵を提供してくれることがあるんでね」
「またおじさまの経験論ですか。それは古いですよ。統計なんておよそ偶然の集りです。確率論で簡単に片附けられる無価値なものですよ」
「条件をうまく整理すれば、そんなに無価値ではなくなる。まあ、行こうや」

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