GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 太宰治 『道化の華』
現代語化
「嘘でしょ。」
「今までずっと飲んでたのか。まあいいよ。真野さん、いいでしょ?」
「別に良くも悪くもなんですけど。」
「院長と4人で相談してさ。君、兄さんは策略家だなあ。意外とやり手だよ。」
「明日、兄さんと飛騨が警察に行くんだ。すっかり計画立ててるんだって。飛騨はバカだなあ。興奮してた。飛騨は今日は向こうに泊まるよ。僕はいやだから帰ってきた。」
「僕の悪口言ってたでしょ?」
「うん。言ってたよ。大バカだって言ってた。この後も何をしでかすか、わからないって言ってた。でも親父も悪いんだって付け加えてた。真野さん、タバコ吸ってもいい?」
「いいですよ。」
「波の音聞こえるね。――いい病院だな。」
「そうでしょ。着替え持ってきたよ。そこに置いたから。」
原文 (会話文抽出)
「江の島をけんぶつして來たよ。よかつたなあ。」
「嘘だよ。」
「いままで、ただ飮んでゐたのか。いや、構はんよ。眞野さん、いいでせう?」
「よくもないんですけれど。」
「院長と四人して相談さ。君、兄さんは策士だなあ。案外のやりてだよ。」
「あす、兄さんと飛騨が警察へ行くんだ。すつかりかたをつけてしまふんだつて。飛騨は馬鹿だなあ。昂奮してゐやがつた。飛騨は、けふむかうへ泊るよ。僕は、いやだから歸つた。」
「僕の惡口を言つてゐたらう。」
「うん。言つてゐたよ。大馬鹿だと言つてる。此の後も、なにをしでかすか、判つたものぢやないと言つてた。しかし親爺もよくない、と附け加へた。眞野さん、煙草を吸つてもいい?」
「ええ。」
「浪の音が聞えるね。――よき病院だな。」
「さうだ。着物を持つて來たんだ。そこへ置いたよ。」