エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳『黄金虫』 「君を迎えにやったのはね」…
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青空文庫図書カード: エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳『黄金虫』
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「お迎えに行ったんすよ」
「お迎えに行ったのってのは、運命の神様とこのカブトムシの思惑を成功させるのに、お兄さんのアドバイスと助けが欲しかったんで――」
「ルグラン兄さん」
「お兄さん絶対体調悪いんで、ちょっと気をつけてくださいよ。寝てください。良くなるまで、俺ここで二、三日過ごしますから。お兄さん熱あるし――」
「脈取ってよ」
「でも熱なくても病気の可能性ありますよ。まあ、今回は俺の言うこと聞いてくださいよ。まず寝る。そんで――」
「勘違いしてますよ」
「俺が今やってる興奮状態は、これで十分健康なんです。もしお兄さんが本当に俺の健康を願ってくれるなら、この興奮を救ってやってくださいよ」
「つまり、どうすればいいんだ?」
「簡単ですよ。ジュピターと俺、これから本土の山の中探索に行くんですけど、この探索に誰か信頼できる人の助けが必要なんです。お兄さんが俺たちを信頼できるたった一人なんです。成功しても失敗しても、お兄さんの見てる俺の興奮は、とにかく収まるでしょう」
「なんとかお役に立ちたいとは思いますが」
「でも、お兄さん、このアホらしいカブトムシがその探索に関係あるとか言ってるんですか?」
「あるんです」
「じゃあ、ルグラン、そんなばかげた仕事の仲間には入れません」
「残念です――マジで残念です――じゃあ俺ら二人だけでやんなきゃあならない」
「二人だけでやるって! この男、絶対おかしいぞ! ――でも待って、――どのくらい留守にするつもりなんですか?」
「たぶん一晩だと思います。今すぐ出発して、日の出までには戻れるでしょう」
「じゃあ、お兄さん、この酔狂が終わって、カブトムシ一件を(チッ!)お兄さんが納得できる形で解決したら、家に帰って、お医者さんの言うことと同じように俺の言うことも絶対聞くって、俺に約束できますか?」
「うん、約束する。じゃあ、さっさと出かけよう。一刻も無駄にできないんだから」
原文 (会話文抽出)
「君を迎えにやったのはね」
「君を迎えにやったのは、運命の神とこの甲虫との考えを成功させるのに、君の助言と助力とを願いたいと思って――」
「ねえ、ルグラン君」
「君はたしかにぐあいがよくない。だから少し用心したほうがいいよ。寝たまえ。よくなるまで、僕は二、三日ここにいるから。君は熱があるし――」
「脈をみたまえ」
「しかし熱はなくても病気かもしれないよ。まあ、今度だけは僕の言うとおりにしてくれたまえ。第一に寝るのだ。次には――」
「君は思い違いをしている」
「僕はいま罹っている興奮状態ではこれで十分健康なのだ。もし君がほんとうに僕の健康を願ってくれるなら、この興奮を救ってくれたまえ」
「というと、どうすればいいんだい?」
「わけのないことさ。ジュピターと僕とはこれから本土の山のなかへ探検に行くんだが、この探検には誰か信頼できる人の助けがいる。君は僕たちの信用できるただ一人なのだ。成功しても失敗しても、君のいま見ている僕の興奮は、とにかく鎮められるだろう」
「なんとかして君のお役に立ちたいと思う」
「だが、君はこのべらぼうな甲虫が君の探検となにか関係があるとでも言うのかい?」
「あるよ」
「じゃあ、ルグラン、僕はそんなばかげた仕事の仲間入りはできない」
「それは残念だ、――実に残念だ。――じゃあ僕ら二人だけでやらなくちゃあならない」
「君ら二人だけでやるって! この男はたしかに気が違っているぞ! ――だが待ちたまえ、――君はどのくらいのあいだ留守にするつもりなんだ?」
「たぶん一晩じゅうだ。僕たちはいまからすぐ出発して、ともかく日の出ごろには戻って来られるだろう」
「では君は、この君の酔狂がすんでしまって、甲虫一件がだ(ちぇっ!)、君の満足するように落着したら、そのときは家へ帰って、医者の勧告と同じに僕の勧告に絶対にしたがう、ってことを、きっと僕に約束するかね?」
「うん、約束する。じゃあ、すぐ出かけよう。一刻もぐずぐずしちゃあおられないんだから」
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