GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 森鴎外 『大塩平八郎』
現代語化
「はい、ここにあるんですけど。」
「お前がその吉見九郎右衛門の息子か。なんで九郎右衛門が自分で持ってきたりしないんだ?」
「親父が病気で寝込んでるんです。」
「そもそも東の奉行所の連中の書類なら、なんで西の奉行所へ持ってきたんだよ。」
「西の奉行様じゃなきゃだめだって、親父が言ってたみたいです。」
「ふん、そうか。」
「お前が一緒に来たのはなんでだ?」
「大事な書類だから、間違いがないように2人で行くように、吉見のおじさんが言ってたんで。」
「ふん、お前は河合って言ったな。オヤジさんはお前をよこすのに承知してたのか?」
「親父は正月の27日に出てったきり、帰ってきてないです。」
「そうか。」
原文 (会話文抽出)
「お奉行様にぢきに差し上げる書付があるのだな。」
「はい。ここに持つてをります。」
「お前がその吉見九郎右衛門の倅か。なぜ九郎右衛門が自分で持つて来ぬのか。」
「父は病気で寝てをります。」
「一体東のお奉行所附のものの書付なら、なぜそれを西のお奉行所へ持つて来たのだい。」
「西のお奉行様にでなくては申し上げられぬと、父が申しました。」
「ふん。さうか。」
「お前はなぜ附いて来たのか。」
「大切な事だから、間違の無いやうに二人で往けと、吉見のをぢさんが言ひ附けました。」
「ふん。お前は河合と言つたな。お前の親父様は承知してお前をよこしたのかい。」
「父は正月の二十七日に出た切、帰つて来ません。」
「さうか。」