GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 太宰治 『惜別』
現代語化
「言っても無駄だよ。あいつらは俺も周さんの仲間だって決めつけてるんだから。俺とお前と藤野先生と周さん、この4人が今、まるで被告みたいな扱いなんだぜ。ひどいよな? 藤野先生の人格まで疑うとか、ありえねーよ。これじゃ俺らも団結して対策考えなきゃダメだ。お前はとにかく明日藤野先生のところに行って訴えろ。俺は後であいつら集めておくから。」
「一つだけ約束して欲しいんだけど。」
「俺は明日藤野先生の研究室に行くから、先生から何か指示があるまではこの手紙のことは誰にも言わないでくれ。」
「なんで?」
「理由は聞かないで。」
「とにかく、そのみんなで団結するのはちょっと待ってくれよ。待たなかったら、俺はお前の敵になるから。」
原文 (会話文抽出)
「あなたは前から、そんな色んな事を知っていながら、どうして、矢島君たちに周さんの潔白を証明してやらなかったのです。」
「それは、僕が言ったって駄目だ。あいつらは、僕もまた周さんの一味だときめてしまっているのだからね。僕と君と藤野先生と周さんと、この四人が、いまのところ、同様の被告みたいなものなのだ。実にけしからんじゃないか。あの藤野先生の御人格をさえ疑うとは、全くひどいよ。これはどうしても、僕たちのほうでも団結して対策を練らなければならぬ。君は、とにかくあした藤野先生のところに訴えに行き給え。僕はまた後で、ほかに同志を糾合するから。」
「一つ約束していただきたいんですけれど、」
「僕はそれではあした藤野先生の研究室にまいりますから、先生から何かお指図があるまで、この手紙の事は誰にも言わないようにしてくれませんか。」
「なぜさ。」
「なぜでも。」
「とにかく、その同志糾合は、二、三日待ってくれませんか。でないと、僕はあなたの敵になりますよ。」