太宰治 『ヴィヨンの妻』 「知っているのです。おれはね、あの大谷先生…

青空文庫現代語化 Home書名リスト太宰治 『ヴィヨンの妻』

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。 正しく現代語化されていない可能性もありますので、必ず原文をご確認ください。


青空文庫図書カード: 太宰治 『ヴィヨンの妻』

現代語化

「知ってますよ。俺、大谷先生の詩のファンなんです。俺も詩書いてるんで、そのうち大谷先生に見てもらおうと思ってたんだけど、なんか大谷先生って怖くて」
「今日はありがとう。またお店で」
「うん、じゃあね」
「すみません。大谷さん、すみません」
「奥さん、スミマセン。帰り道でまた屋台で一杯やって、実は俺の家立川なんですけど、駅行ったらもう電車なくて。奥さん、お願いです。泊めてください。布団とか要りません。この玄関の式台でもいいんで。明日の始発が出るまで、ここで寝かせてください。雨が降ってなきゃ軒下で寝るんですけど、この雨じゃあ無理で。お願いです」
「主人もいないですし、こんな式台でよければどうぞ」
「ありがとうございます。ああ酔った」

原文 (会話文抽出)

「知っているのです。おれはね、あの大谷先生の詩のファンなのですよ。おれもね、詩を書いているのですがね。そのうち、大谷先生に見ていただこうと思っていたのですがね。どうもね、あの大谷先生が、こわくてね」
「ありがとうございました。また、お店で」
「ええ、さようなら」
「ごめん下さい。大谷さん、ごめん下さい」
「奥さん、ごめんなさい。かえりにまた屋台で一ぱいやりましてね、実はね、おれの家は立川でね、駅へ行ってみたらもう、電車がねえんだ。奥さん、たのみます。泊めて下さい。ふとんも何も要りません。この玄関の式台でもいいのだ。あしたの朝の始発が出るまで、ごろ寝させて下さい。雨さえ降ってなけや、その辺の軒下にでも寝るんだが、この雨では、そうもいかねえ。たのみます」
「主人もおりませんし、こんな式台でよろしかったら、どうぞ」
「すみません。ああ酔った」

青空文庫現代語化 Home書名リスト太宰治 『ヴィヨンの妻』


青空文庫現代語化 Home リスト