GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 横光利一 『旅愁』
現代語化
「俺もそうだったよ。でも、そういう経験を一度でもすることで、何か大事なものが得られるんだと思うんだ。今でも、国境越えた時の感動を大切にしてるよ。」
「そうだよね。それを疑ったら、――」
「でも、そのことを疑うやつって多いよね。そいつを頭いいと思わせて、全部ダメにしちゃう非文化的な病気があちこち蔓延してるんだよ。何が原因かは知らないけど、そいつにかかっちゃ、もうすぐ世界が戦争だらけになっちまうよ。世界中がぐちゃぐちゃに腐り始めてるんだ。」
原文 (会話文抽出)
「君、僕はいま非常に気持ちが良いのだよ。われながら興奮を感じるほど混りけがないように思うんだが、これがいつまでも続いてくれればね。君はどうだった?」
「僕もそうだったなア。しかし、一度そういうことが有ったと思うことは、なかなかこれが、大切なんだと思ってるんです。今でも僕は国境を入ってきたときの感動を、これは自分の鍵だと思って大切にしていますよ。」
「そうだろうね。もしそれを疑っちゃ、――」
「しかし、その鍵を疑うものは実に多いね。そ奴を知性だと思わして元も子も無くさせる非文化的な病いが世界中に蔓延しているんだよ。何ものの仕業か知らないが、こ奴にかかっちゃ、今にもう僕らは戦争をさせられるよ。世界中がじくじく腐って来たのだ。」