岡本綺堂 『中国怪奇小説集』 「どうぞお助けください。わたくしのような者…
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青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『中国怪奇小説集』
現代語化
「助けてください。俺みたいな奴でも命は惜しいです」
「じゃあお祈りして、俺から話を聞きますよ」
「碧瀾堂のこと忘れたの?」
「俺も昔は金持ちのボンボンで、女と恋仲だったんだけど、親が許すわけねぇじゃん。それで女と駆け落ちしたんだ。でも金は尽きるし、女はいつまでもくっついてくる。どうにもならねぇから、呉興に行ったときに、碧瀾堂に遊びに行こうって誘い出して、酔っ払った勢いで女を川に落として逃げた。そっからずっとろくなことねぇし、ついに乞食になっちまいました。今日ここに連れてこられたのは、その女が恨みを言いに来たんでしょ」
原文 (会話文抽出)
「どうぞお助けください。わたくしのような者でも命は惜しゅうございます」
「それではお祷りをして、わたくしからその子細を伺ってみましょう」
「あなたは碧瀾堂の昔を忘れましたか」
「わたくしも元は相当の金持の家のせがれで、ある娼妓と深く言いかわしましたが、両親がとても添わせてくれる筈はないので、女をつれて駈落ちをしました。そのうちに貯えの金はなくなる、女はいつまでも付きまとっている。どうにも仕様がないので、呉興へ行ったときに、碧瀾堂へ遊びに行こうといって連れ出して、酒に酔った勢いで女を水へ突き落して逃げましたが、その後にもやはりよいこともなくて、とうとう乞食の群れに落ちてしまいました。今日わたくしがここへ呼び込まれましたのは、死んだ女がむかしの恨みを言おうがためでございましたろう」
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