夢野久作 『戦場』 「そんならこの下士官の傷はドウ思うね」…

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現代語化

「それならこの下士官の傷はどうかね」
「……は……やはり上腕部の貫通銃創でございます。火傷は見受けられないようですが……」
「それでも何か違うところはないかね」
「……弾丸の入口と出口との比較が、ほかの負傷兵のと違います。フランス軍の弾丸ではないようで……近距離から発射された銃弾の貫通創と思われます」
「……うむ……なかなか君はよく観察する。それでつまりどういうことになるかね」
「この脚部の創はどうかね。君が今連れてきた候補生だが……」
「弾丸の入口が後方にある」
「……というとどういう意味になるかね」
「……………………」
「それじゃ君……こちらに来たまえ。この腕の傷がわかるかね」
「わかります。弾丸の口径が違います。私が摘出しました」
「何の弾丸だったね。それは……」
「……………………」
「味方の将校の拳銃の弾丸じゃなかったかね」
「……………………」
「……ははは……もうだいたいわかったね。ここに集めている負傷兵の種類が……」
「……はい……わ……わかりました」
「研究」

原文 (会話文抽出)

「そんならこの下士官の傷はドウ思うね」
「……ハ……やはり上膊部の貫通銃創であります。火傷は見当らないようですが……」
「それでも何か違うところはないかね」
「……弾丸の入口と出口との比較が、ほかの負傷兵のと違います。仏軍の弾丸ではないようで……近距離から発射された銃弾の貫通創と思います」
「……ウム……ナカナカ君はよく見える。そこでつまりドウいう事になるかね」
「この脚部の創はドウ思うね。君が今連れて来た候補生だが……」
「弾丸の入口が後方に在ります」
「……というとドンナ意味になるかね」
「……………………」
「それじゃ君……コッチに来たまえ。この腕の傷がわかるかね」
「わかります。弾丸の口径が違います。私は剔出してやったのです」
「何の弾丸だったね。それは……」
「……………………」
「味方の将校のピストルの弾丸じゃなかったかね」
「……………………」
「……ハハハ……もう大抵わかったね。ここに集めて在る負傷兵の種類が……」
「……ハイ……ワ……わかりました」
「研究」

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