夢野久作 『支那米の袋』 「アハハハハハ。もう大丈夫だ。泣こうが喚こ…

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青空文庫図書カード: 夢野久作 『支那米の袋』

現代語化

「はははははは。もう大丈夫だ。泣こうが騒ごうが」
「ははははは。しかしヤングの発想には驚いたよ。ロシアの娘なんて、こんなに素直なものだとは思わなかったよ」
「うーん。こんな素晴らしいアイデアは、彼の頭からしか出てこない。なにしろ革命後ってのはね、どこの店も貧乏人を追い出して、いい家の娘ばかりを雇ったんだってさ……そこを狙ったのがヤングのアイデアだよ」
「なるほどなあ……ところでそのヤングはどこに行っちゃったんだろう」
「親父さんのところに交渉に行ったんだろう。生きたおもちゃをちょっと持込んでもいいかってね」
「……うーん。でもな、親父さんが簡単にOKしてくれるかな……」
「大丈夫だよ。それくらいの知恵なら俺だって持ってる。つまり時間が来るまでは、他の話題で釣っておいて、艦の中を見回させないようにするんだ。それでいよいよ動き出してから交渉を始めさせれば、十中八九こっちのものだろう?……まさか引っ返すわけにもいかないだろうし」
「うーん。なるほどな。しくじると、いい面晒しになるってわけだな」
「うん……それに親父さんもまんざらじゃないんだと思うよ……ヤングはそこを狙ってるんだよ」
「ははははは違うねえ。したたかだよなヤングって奴は……」
「はははははははは」
「いひひひひひひひ」

原文 (会話文抽出)

「アハハハハハ。もう大丈夫だ。泣こうが喚こうが」
「ハハハハハハ。しかしヤングの智恵には驚いちゃったナ。露西亜の娘っ子なんて、コンナに正直なもんたあ思わなかったよ」
「ウーム。こんな素晴らしい思い付きは、彼奴の頭でなくちゃ出て来っこねえ。何しろ革命から後ってものあ、どこの店でも摺れっ枯らしを追い出して、いいとこのお嬢さんばかりを仕入れたっていうからな……そこを睨んだのがヤングの智恵よ」
「成る程ナア……ところでそのヤングはどこへ行きやがったんだろう」
「おやじん処へ談判に行ったんだろう。生きたオモチャをチットばかし持込んでいいかってよ」
「……ウーム。しかしなア……おやじがうまくウンと云えあ良いが……」
「それあ大丈夫よ。それ位の智恵なら俺だって持っている。つまり時間が来るまでは、他の話で釣っといて、艦の中を見まわらせねえようにしとくんだ。そうしてイヨイヨ動き出してから談判を始めせえすれあ、十が十までこっちのもんじゃねえか。……まさか引っ返す訳にも行くめえしさ」
「ウーム。ナアルホド。下手を間誤付けあ、良い恥晒しになるってえ訳だな」
「ウン……それにおやじだって万更じゃねえんだかんナ……ヤングはそこを睨んでいるんだよ」
「アハハハハ違えねえ。豪えもんだなヤングって奴は……」
「アハハハハハハハ」
「イヒヒヒヒヒヒヒ」

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