コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳『樺太脱獄記』 「おい。ブラン。どうしたのだい。あれは警戒…
青空文庫現代語化 Home > 書名リスト > コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳『樺太脱獄記』 >
GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
正しく現代語化されていない可能性もありますので、必ず原文をご確認ください。
青空文庫図書カード: コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳『樺太脱獄記』
現代語化
「おい。ブラン。どうしたんだ。あれが警戒線じゃないか」
「そうだよ。あれがワルキだ」
「お前怒っちゃいけないよ。お前は仲間の中で一番年上だから、今までみんながお前の指示を受けるつもりでいたんだけど、どうもこれからは自分たちで手はずをしなくちゃならないな。お前に任せてた日には、どこへ連れて行かれるか分からないからな」
「どうかみんな勘弁してくれ。俺は年を取った。もう40年も流浪してるんだ。もうダメだ。俺は時々もの忘れをしてしまうんだ。するものによってはよく覚えてることもあるけど、他のことはすっかり忘れてしまってる。どうか勘弁してくれ。ここは落ち着ける所じゃない。早く逃げなくちゃダメだ。あの警戒線の奴が森の中に入って来たり、犬が一匹嗅ぎ出して近づいてきたら、この世とお別れだ」
原文 (会話文抽出)
「おい。ブラン。どうしたのだい。あれは警戒線ぢやないか。」
「さうさ。あれがワルキだ。」
「お前おこつては行けないよ。お前は同志の内で一番年上だから、今まで皆がお前の指図を受ける積りでゐたのだが、どうもこれからは己達が自分で手筈をしなくてはなるまい。お前に任せてゐた日には、どこへ連れて行かれるか分からないからな。」
「どうぞみんな勘忍してくれ。己は年を取つた。己は四十年この方流浪してゐる。もう駄目だ。己は時々物忘れをしてならない。物に依つては好く覚えてゐる事もあるが、外の事はまるで忘れてしまつてゐる。どうぞ勘忍してくれ。こゝは落ち着いてゐられる所ではない。早く逃げなくては駄目だ。あの警戒線の奴が誰か森の中へ這入つて来るか、犬が一疋嗅ぎ出して近寄つて来たら、この世はお暇乞だ。」
青空文庫現代語化 Home > 書名リスト > コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳『樺太脱獄記』 >
青空文庫現代語化 Home リスト