宮本百合子 『播州平野』 「大分ぬれましたね、どこまでです？」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『播州平野』

現代語化

「大分濡れちゃいましたね、どこまでですか？」
「東京まで帰るんですけど――この汽車、動くのかな」
「さあ、それは、神様しか知りませんよ」
「何しろ、昨日動いたはずのところがご覧のとおりですからね――まあ、人生は我慢が大事ですよ」
「出発しましたよ！」
「これでいいんです。――大分運がいいですね。――これでよし、と」

原文 (会話文抽出)

「大分ぬれましたね、どこまでです？」
「東京までかえるんですが――この汽車、動くのかしら」
「さあ、そいつあ、神様ばかりが御存じだ」
「何しろ、ゆうべ動いた筈のところが御覧のとおりなんですからね――やれ、やれ、人間万事しんぼうが大切さ」
「出ましたよ！」
「これでよろし。――大分運のええ方や。――これでよし、と」

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