宮本百合子『播州平野』「どうしたの縫ちゃん。いつ頃から来ていたの…

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現代語化

「どうしたの縫ちゃん。いつ頃から来てたわけ？」
「さあ、1時間くらい前に来たかしら」
「連絡したの？」
「いいえ。私、お姉さんがいらっしゃることなんて、ちっとも知らなかったんです。昨夜、直次さんの夢を見て、気にかかってしょうがなかったから、ちょっと知らせに来たら、いらっしゃったって……」

「どうしたの縫ちゃん。いつ頃から来ていたの」
「さア、小一時間も前に来たかしら」
「知らせがいったの？」
「いいえ。わたしお姉さんが来ておられることなんか、ちっとも知らなんだの。昨夜、直次さんの夢を見て、気にかかってせんないから、一寸しらせに来たら、来ておられるって……」