宮本百合子 『播州平野』 「電報がうまくついていればいいんだが――」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『播州平野』

現代語化

「電報がちゃんと届いてればいいんだけど――」
「この時期の電報は2日じゃ届かないでしょう」
「よっぽど具合がよくないとね」
「困ったな。荷物さえなければ何とかなるんだけど」
「降りるときには、みんな手伝いますよ。駅の職員だって放っておかないし。――荷物は一時預けて、あとから取りに来てもらえれば」
「どうもすみません。じゃ、そうします」
「何しろ、初めて社会に出たもんだから――病院にいた間は、同じような奴ばっかりですから、何の脚1本くらいっていう感じで、すごい勢いだったんですが……どうも」
「次第に意外と不自由が出てきてですね。私には5歳になる子供がいますが、片脚を切断された体では、もうその子を立って抱いてやるということができないんです」

原文 (会話文抽出)

「電報がうまくついていればいいんだが――」
「この節の電報は二日じゃあぶないでしょう」
「よっぽど工合がよくないとね」
「弱ったな。荷物さえなけりゃ何とかなるんだが」
「お降りになるとき位、みんながお手つだいしますよ。駅のひとだって放っておかないんだし。――荷物は一時あずけにして、あとからとりに来ておもらいになれば」
「どうもすみません。じゃ、そうでもするか」
「何しろ、はじめて社会へ出たもんで――これで病院にいた間は、同じような野郎ばっかりですから、何の脚一本ぐらいっていうわけで、物凄い景気なんですが……どうも」
「段々案外の不自由が出て来るもんでしてね。私には五つになる坊主があるんですが、片脚ちょんぎられた体では、もうその坊主を立って抱いてやるということが出来ないんです」

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