宮本百合子 『道標』 「どうする？」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「どうする？」
「この調子じゃ、どうにもならないわね」
「私、カルロヴィ・ヴァリはやめる」
「どうして……ここまで来てるのに」
「だって。――わかるでしょ」
「ねえ、私、ほんとカルロヴィ・ヴァリは止めたいわ。かえって腹痛くなっちゃうだけよ」
「それはあなたが嫌だって言うなら、それまでだけどね」
「フロムゴリド博士にだって、別に悪いことないと思うわ。プラハで博覧会とかぶってるとは、夢にも思わなかったんだから」

原文 (会話文抽出)

「どうする？」
「この有様じゃ、何とも仕様がないわね」
「わたし、カルルスバードはやめにする」
「どうして……ここまで来ているのに」
「だって。――わかるじゃないの」
「ね、わたし、ほんとにカルルスバードはやめたいわ。かえって横腹がいたくなってしまうもの」
「そりゃ御本人がいやだっていうなら、それまでのことだがね」
「フロムゴリド博士にだって、決してわるいことはないと思うわ。プラーグで博覧会とかち合おうなんて、思ってもいなかったことなんですもの」

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