宮本百合子 『二つの庭』 「お母様、いかが?」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『二つの庭』

現代語化

「お母さん、調子はどう?」
「ああ、この頃、夜も眠れるようになったみたいで助かるよ」
「お父さん、まだずっと向こう?」
「落ち着いて暮らしてみるといいよ。駅を降りると、空気も全然違う。何より朝の気分が最高。最近はベランダで、裸で日光浴してるよ」
「お客さんは来ないの?」
「絶対お断り。それじゃ、向こうにいる意味がないからね。あっちから通勤すると電車の時間があるから、帰るのもちょうどいい感じなんだよ。たいてい7時過ぎには帰ってくる」
「そういえば、お父さん、前崎のモーターはどうなったの?」
「もう大丈夫?騒がなくなった?」
「うん、大丈夫」
「ポンプ屋の間違いで、結局2馬力のにしたら、やっとよくなった。最初からそうしろって言ったのに――」
「前崎に何か必要なものあるかしら。――私、これから動坂に行くから、もしあったら届けておいて」
「何もいらないよ」
「ないの?」
「出かけてないね、今日は。前崎の玄関の花壇にバラを植えようと思ってるんだけど……」
「お母さんいつ頃帰ってくる予定かしら……」
「最近は落ち着いてるよ、ゆっくりしてたらいいよ」
「2人で行ってるから大丈夫でしょ、きっと。お母さんだって落ち着けるだろうし、お父さんって東京ばっかりにいるとヒマを持て余してるみたいだから」
「あら!伸子さんがいらした」

原文 (会話文抽出)

「お母様、いかが?」
「ああ、この頃は、夜もねむれるようになったらしくて大助かりだよ」
「お父様、まだずっとあっち?」
「落着いて暮してみるといいね。駅を下りると、空気が全くちがう。第一、朝の心持がすてきですよ。この頃はヴェランダで、はだか日光浴さ」
「お客様なし?」
「絶対おことわりだよ。さもなけれゃ、行っている意味がないもの。あっちから、通っていると汽車の時間があるから、切り上げるのにもかえっていい工合ですよ。たいてい七時すぎにはつくからね」
「そういえば、お父様、前崎のモーターどうして?」
「もういいの? 騒動なさらない?」
「うん、大丈夫だ」
「ポンプやの計算ちがいで、結局二馬力のにして、やっとよくなった。はじめっから俺はそれでなけれゃあぶないといっていたのに――」
「前崎でいるようなものないかしら。――わたし、これから動坂へ行くから、もしあったら届けてよ」
「何にもいりませんよ」
「ないの?」
「出ていないね、きょうは。前崎の玄関のところの花壇にバラを植えようと思っているんだが……」
「お母様いつ頃おかえりになる予定なのかしら……」
「珍しくおちついているよ、ゆっくりいるがいいのさ」
「二人でいらっしゃるからいいのよ、きっと。お母様だって落着けるだろうし、お父様ったらひまがなさすぎるから駄目よ、東京ばっかりだと」
「あら! 伸子さまがいらした」

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