宮本百合子 『二つの庭』 「もし、もし」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『二つの庭』

現代語化

「もしもし、あ、もしもし」
「はい」
「あ、もしもし、あなた誰?」
「……」
「聞こえないなら、他の人に出てもらってよ」
「あ、もしもし」
「あ、ちょっと――」
「お姉ちゃん、どう?」
「お母さんいる?」
「マエザキに行ったよ」
「西洋にある通りみたいな家に住んでくるんだよ」
「いつ行ったの?」
「今日さ……」
「今日?――今日は何曜日?……木曜日でしょ?」
「誰か一緒に行ったの?」
「うん、みんなで行った――僕と保が留守番だから、おいでよ」
「――つや子も?」
「うん。お父さんが神経痛で仕事休むことになったから、急にバタバタ出かけたんだ」
「へぇー」
「いつも文句ばかり言ってるお母さんが、意外にすんなり出かけて、お父さんもびっくりしてたよ」
「なんで行ったの?」
「僕が東京駅まで送ってって、あとは電車」
「――荷物大変だったんでしょ?」

原文 (会話文抽出)

「もし、もし」
「はア」
「もしもし、あなた、だれ?」
「…………」
「ききにくいなら、誰かほかの人に出ておもらいなさいよ」
「あ、もしもし」
「まあ、しばらく――」
「ああ、姉さん、どう?」
「お母様は?」
「前崎へ行っている」
「西洋にあるとおりの家に住まわしてあげる」
「いつ、いらしたの?」
「けさ……」
「けさ?――きょう何曜日?……木曜でしょう?」
「だれか一緒に行ったの?」
「ああ、みんな行った――僕と保が留守番だから、いらっしゃいよ」
「――つや子も?」
「ええ。お父様が神経痛で事務所を休むことになったもんだから、急に大さわぎしてドタバタ行っちゃった」
「そうなの」
「いつもなにか文句をいうお母様が、案外簡単に出かけたんで、おとうさま、おどろいてたよ」
「なんで行ったの?」
「僕が東京駅まで送って行って、あとは汽車」
「――さぞ大変な荷もつだったんだろう」

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