GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 宮本百合子 『帆』
現代語化
「――あそこに行って来たよ」
「え？」
「行きましたか？湯島へ？」
「雪見がてら行ったんだけど、やっぱりあなたじゃなきゃダメだって」
「結局私の行った気持ちなんか通じなかったみたい――女は女を頼ろうとしないもんね」
「それに、あの万年筆の居場所がわかりましたよ。あの人が預かってるそうじゃありませんか？」
「あ、そうですか？どうりで、いくら探してもなかったわけだ。いや、どうも重ね重ね恐縮です」
原文 (会話文抽出)
「いよう！ えらい元気ですね」
「――あすこへ行って来ましたよ」
「え？」
「行らっしたんですか？ 湯島へ？」
「雪見がてら行ったんだけれど、やっぱり貴方でなくちゃ駄目だそうです」
「結局私の行った心持なんか通じなかったらしい――女は女を当にする気のないもんですね」
「それに、あの万年筆のありかが判りましたよ。あの人があずかっているそうじゃありませんか」
「や、そうですか？ どうりで、いくら探してもないと思った。いや、どうも重ね重ね恐縮千万です」