宮本百合子 『牡丹』 「ずっと下町にいるから当分淋しくって困るか…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『牡丹』

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「ずっと下町にいるので、しばらくは寂しくなってしまうかもしれませんが、私と息子は体が弱いので、思い切って静かなところに移り住んでのんびり暮らそうと思ってましてね。」
「もしお願いするならこの方に全部相談させていただくことになるんですよ。私なんて図面を見せてもらっても、家が建ってからじゃないと、どっちの方向から入るのかよくわかりませんから。」

「ああ、こっちですか?」
「ここはいい土地ですね。あの通り北がずっと松林で囲まれてて、南が開けてますから。――500坪ですか?」
「そうだったかな……去年来た時より、辺りの木が太くなったような気がしますね。」
「同じ信託地でも、あっち側は低いし、古い木も1本もありませんから、家を建てるなら、庭づくりが大変です。」

原文 (会話文抽出)

「ずっと下町にいるから当分淋しくって困るかも知れないと思いますけれど、私も伜も体が丈夫な方じゃないから、一つ思い切って閑静なとこへ引込んで呑気に暮そうと思いましてね」
「若しお願いするとなりゃこの方に万事御相談願うことになるんですよ。私なんぞ絵図を見せてお貰いしたって、目の前に出来上ってからでなけりゃ、どっち向いて入る訳なんだか見当がつかない有様なんですもの」
「ああ、こっちですか」
「ここはいい地面です。あの通り北がずっと松林で囲まれて、こう南が開いていますから。――五百坪ですか」
「そうでしたっけね。……去年来たときから見るとその辺の樹も太くなったようですね」
「同じ信託地の内でも、あっち側は低いし、時代のついた木なんぞ一本もありませんから、さて建てるとなると、庭が大変です」

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