宮沢賢治 『鳥箱先生とフウねずみ』 「おい。フウ、ちょっと待ちなさい。おまへは…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『鳥箱先生とフウねずみ』

現代語化

「おい。フウ、ちょっと待って。お前に何か言おうとすると、すぐ逃げようとするけど、今日は落ち着いて座ってろ。お前はなんでいつも首をすくめて、背中丸めてるんだ?」
「だって、先生。僕の友達はみんな、もっと背中丸めて、もっと首すくめてますよ。」
「お前の友達っていってもムカデとかは背中ピンと伸ばして歩いてるだろ?」
「ムカデはそうだけど、他の友達はそうじゃないんです。」
「他の友達っていうの誰だ?」
「ケシの実とかヒエの実とかオオバコの果実とかです。」
「なんでいつもそんなたいしたことない奴らとしか比べないんだ?おい。」
「フウの母親、出てこい。お前の息子は退校だ。引き取りに来い。」
「俺は4羽ものヒヨコを教育してきたけど、こんなひどい授業妨害初めてだ。この生徒はダメだなぁ。」

原文 (会話文抽出)

「おい。フウ、ちょっと待ちなさい。おまへはいつでもわしが何か云はうとすると、早く逃げてしまはうとするが、今日は、まあ、すこしおちついて、こゝへすわりなさい。お前はなぜそんなにいつでも首をちゞめて、せなかを円くするのです。」
「だって、先生。私の友達は、みんな、もっとせなかを円くして、もっと首をちゞめてゐますよ。」
「お前の友達といっても、むかでなどはせなかをすっくりとのばしてあるいてゐるではないか。」
「いゝえ。むかではさうですけれども、ほかの友だちはさうではありません。」
「ほかの友だちといふのは、どんな人だ。」
「けしつぶや、ひえつぶや、おほばこの実などです。」
「なぜいつでも、そんなつまらないものとだけ、くらべるのだ。えゝ。おい。」
「フウの母親、こら、フウの母親。出て来い。おまへのむすこは、もうどうしても退校だ。引き渡すから早速出て来い。」
「おれは四人もひよどりを教育したが、今日までこんなひどいぶじょくを受けたことはない。実にこの生徒はだめなやつだ。」


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