宮沢賢治 『税務署長の冒険』 「えゝ伺ひますが、この村の椎蕈山はどちらで…
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青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『税務署長の冒険』
現代語化
「すみません、この村の椎茸山はどこですか?」
「椎茸山か。あんたは買い付けに来たの?」
「はい、そうです」
「じゃあ組合に行けばいいだろう」
「組合はどこですか?」
「ここを10町くらい真っ直ぐ行くと学校がある」
「その学校の向かいに『産業組合事務所』って看板があるから、そこに行って話せばいいよ」
「そうなんですか。ありがとうございます。助かりました」
「どうも元気がないね。一杯くれないか?瓶じゃなくてね。ううい。いいお酒ですね。何ていうお酒ですか?」
「北の輝です」
「これはいい酒だ。こんなお酒が飲めるとは思わなかった。どこで売ってるの?」
「私のところで卸もしてますよ」
「ああ、でも町で買った方が安いんじゃないですか?」
「そうでもないですよ」
「ダメだ。持ち歩くには重いよ」
原文 (会話文抽出)
「えゝ伺ひますが、この村の椎蕈山はどちらでせうか。」
「椎蕈山かね。おまへさんは買付けに来たのかい。」
「へえ、さうです。」
「そんなら組合へ行ったらいゝだらう。」
「組合はどちらでございませう。」
「こっから十町ばかりこのみちをまっすぐに行くとね学校がある、」
「その学校の向ひに産業組合事務所って看板がかけてあるからそこへ行って談したらいゝだらう。」
「さうですか。どうもありがたうございました。お蔭さまでございます。」
「どうもせいがきれていけない。一杯くれませんか。えゝ瓶でない方。ううい。いゝ酒ですね。何て云ひます。」
「北の輝です。」
「これはいゝ酒だ。こゝへ来てこんな酒を呑まうと思はなかった。どこで売ります。」
「私のとこでおろしもしますよ。」
「はあ、しかし町で買った方が安いでせう。」
「さうでもありません。」
「だめだ。持って行くにひどいから。」
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