宮沢賢治 『かしはばやしの夜』 「もうお帰りかの。待つてましたぢや。そちら…
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青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『かしはばやしの夜』
現代語化
「もう帰りますか?待ってましたよ。そちらは新しいお客さんですね。でも、あの人はよしたほうがいいですよ。前科者ですから。前科98犯ですよ。」
「嘘つけ、前科者だって?俺は真面目だぞ。」
「なにを?証拠はちゃんとありますよ。帳面にも載ってますよ。あなたの悪い斧の跡のついた98本の足跡が今でもこの森の中に残ってますよ。」
「ははは、面白い話ですね。98本の足跡って、98本の切り株のことでしょう。それがどうしたっていうんですか?俺はちゃんと、山主の藤助に酒を二升買ってありますよ。」
「それなら俺にどうして酒を買わないんですか?」
「買う理由がない。」
「いや、ある。たくさんある。買え。」
「買う理由がない。」
原文 (会話文抽出)
「もうお帰りかの。待つてましたぢや。そちらは新らしい客人ぢやな。が、その人はよしなされ。前科者ぢやぞ。前科九十八犯ぢやぞ。」
「うそをつけ、前科者だと。おら正直だぞ。」
「なにを。証拠はちやんとあるぢや。また帳面にも載つとるぢや。貴さまの悪い斧のあとのついた九十八の足さきがいまでもこの林の中にちやんと残つてゐるぢや。」
「あつはつは。をかしなはなしだ。九十八の足さきといふのは、九十八の切株だらう。それがどうしたといふんだ。おれはちやんと、山主の藤助に酒を二升買つてあるんだ。」
「そんならおれにはなぜ酒を買はんか。」
「買ふいはれがない」
「いや、ある、沢山ある。買へ」
「買ふいはれがない」
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