宮沢賢治 『月夜のでんしんばしら』 「おい、はやくあるけ。はりがねがたるむぢや…

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青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『月夜のでんしんばしら』

現代語化

「おい、早く歩け。綱がたるむだろ?」
「もう疲れて歩けない。足先が腐り始めたんだ。長靴のタールも何もはもうめちゃくちゃだ。」
「早く歩け、歩け。お前らの中の誰かが倒れても、1万5000人全員が責任を負うんだぞ。歩けってば。」
「ドテテドテテ、ドテテド やりをかざれるとたん帽 すねは柱のごとくなり。 ドテテドテテ、ドテテド 肩にかけたるエポレット 重きつとめをしめすなり。」

原文 (会話文抽出)

「おい、はやくあるけ。はりがねがたるむぢやないか。」
「もうつかれてあるけない。あしさきが腐り出したんだ。長靴のタールもなにももうめちやくちやになつてるんだ。」
「はやくあるけ、あるけ。きさまらのうち、どつちかが参つても一万五千人みんな責任があるんだぞ。あるけつたら。」
「ドツテテドツテテ、ドツテテド やりをかざれるとたん帽 すねははしらのごとくなり。 ドツテテドツテテ、ドツテテド 肩にかけたるエボレツト 重きつとめをしめすなり。」

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