宮沢賢治 『ひのきとひなげし』 「もう一足でおまえたちみんな頭をばりばり食…

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青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『ひのきとひなげし』

現代語化

「あと少し遅かったらお前たちみんな頭をバリバリ食われてたところだった」
「それだっていいじゃない。おせっかいなヒノキ」
「そうじゃないんだよ。お前たちが青いケシ坊主のままガリガリ食われちまったら来年はここには草が生えるだけになっちゃう。それに第一、スターになりたいなんてお前たち、スターって何だか知ってるのか。スターっていうのはな、本当のところはお空の星のことなんだ。ほら、もう出てるぞ。もうすぐお空一面に出るぞ。そうそう、オールスターキャストっていうだろ。オールスターキャストっていうのはつまりそれなんだ。つまり双子座は双子座のところに、レオ座はレオ座のところに、ちゃんと決まった場所でそれぞれ決まった光り方をするのがオールスターキャスト。なのにありがたいことに、スターになりたいなりたいって言ってるお前たちのことが、そのまま全部スターになっちゃってる。おまけにオールスターキャストだってことなんだ。どういうことかっていうと、聴けよ。天にある花を星って言うし、この世の星を花って言うんだ」
「何言ってるの。バカヒノキ、ケシ坊主なんかになって私たち生きていたくないよ。おまけに今のおかしな声。悪魔様の足元にも寄れないわ。わー、わー、おせっかいなおせっかいな背の高いヒノキ」

原文 (会話文抽出)

「もう一足でおまえたちみんな頭をばりばり食われるとこだった。」
「それだっていいじゃあないの。おせっかいのひのき」
「そうじゃあないて。おまえたちが青いけし坊主のまんまでがりがり食われてしまったらもう来年はここへは草が生えるだけ、それに第一スターになりたいなんておまえたち、スターて何だか知りもしない癖に。スターというのはな、本当は天井のお星さまのことなんだ。そらあすこへもうお出になっている。もすこしたてばそらいちめんにおでましだ。そうそうオールスターキャストというだろう。オールスターキャストというのがつまりそれだ。つまり双子星座様は双子星座様のところにレオーノ様はレオーノ様のところに、ちゃんと定まった場所でめいめいのきまった光りようをなさるのがオールスターキャスト、な、ところがありがたいもんでスターになりたいなりたいと云っているおまえたちがそのままそっくりスターでな、おまけにオールスターキャストだということになってある。それはこうだ。聴けよ。あめなる花をほしと云いこの世の星を花という。」
「何を云ってるの。ばかひのき、けし坊主なんかになってあたしら生きていたくないわ。おまけにいまのおかしな声。悪魔のお方のとても足もとにもよりつけないわ。わあい、わあい、おせっかいの、おせっかいの、せい高ひのき」

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