宮沢賢治 『黄いろのトマト』 「どうしてそんなに泣いて居るの。おなかでも…
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青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『黄いろのトマト』
現代語化
「どうしてそんなに泣いてるの。お腹でも痛いのかい。朝早くから図書室の前に来てそんなに大声で泣くもんじゃないよ」
「そんなに大声で泣いちゃダメだよ。 まだ開館まで1時間半もあるのに、あんただけ特別に入れてあげたんだから。 それにそんなに大声で泣いて表に聞こえたらみんな私に文句を言うじゃないの。そんなに泣いちゃダメだよ。どうしてそんなに泣いてるの?」
「だって蜂雀がもう私に話しかけてくれないんだもん」
「ああ、蜂雀がまたあんたに何か話したのね。そして急に黙り込んだのね。それはダメよ。この蜂雀はよくそういうことをして人をからかうのよ。よし、私が叱ってあげるわ」
「おい。蜂雀。今日は何回目だと思うよ。手帳につけてるよ。つけてるよ。あんまりひどかったら困るから館長さんに言ってアイスランドに送り返してもらうよ。 ほらおい。さあ坊ちゃん。きっとこれで蜂雀は話してくれるよ。早く涙を拭いて。顔中ぐちゃぐじゃだ。ほら、いいわね、さっぱりしたわ。 お話が終わったら早く学校に行きなさい。あんまり長くなると蜂雀はまた嫌なことを言うから。じゃ、おやすみなさい」
原文 (会話文抽出)
「どうしてそんなに泣いて居るの。おなかでも痛いのかい。朝早くから鳥のガラスの前に来てそんなにひどく泣くもんでない。」
「そんなに高く泣いちゃいけない。 まだ入口を開けるに一時間半も間があるのにおまえだけそっと入れてやったのだ。 それにそんなに高く泣いて表の方へ聞えたらみんな私に故障を云って来るんでないか。そんなに泣いていけないよ。どうしてそんなに泣いてんだ。」
「だって蜂雀がもう私に話さないんだもの。」
「ああ、蜂雀が又おまえに何か話したね。そして俄かに黙り込んだね。そいつはいけない。この蜂雀はよくその術をやって人をからかうんだ。よろしい。私が叱ってやろう。」
「おい。蜂雀。今日で何度目だと思う。手帳へつけるよ。つけるよ。あんまりいけなけあ仕方ないから館長様へ申し上げてアイスランドへ送っちまうよ。 ええおい。さあ坊ちゃん。きっとこいつは談します。早く涙をおふきなさい。まるで顔中ぐじゃぐじゃだ。そらええああすっかりさっぱりした。 お話がすんだら早く学校へ入らっしゃい。 あんまり長くなって厭きっちまうとこいつは又いろいろいやなことを云いますから。ではようがすか。」
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