宮沢賢治 『黄いろのトマト』 「お早う。蜂雀。ペムペルという人がどうした…
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青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『黄いろのトマト』
現代語化
「おはよう。蜂雀。ペムペルって人がどうなったの?」
「ああおはよう。妹のネリっていう子も本当に可愛かったのにかわいそうだったわ」
「どうしたって話してよ」
「話してあげるから、荷物を床に置いて座りな」
「ペムペルとネリは毎日お父さんやお母さんが働くそばで遊んでいたんだって〔以下原稿1枚分なし〕 その時僕も『さようなら。さようなら。』って言ってペムペルの家のきれいな木や花の間からまっすぐ家に帰ったんだ。 それからもちろん小麦もついてたんだ。 2人で小麦を粉にするときは僕はいつも見に行った。小麦を粉にする日ならペムペルは縮れた髪から短い浅黄のチョッキから木綿のダブダブズボンまで粉だらけになりながら赤いガラスの水車でコトコトやってるんだ。ネリは粉を400グラムずつ木綿の袋につめたり疲れてボーッと戸口にもたれかかって畑を眺めてたりするんだ。 その時に僕は『ネリちゃん、あなたは麦わらが好きですか』とかからかったりして遊んだんだ。それからもちろんキャベツも植えてたんだ。 2人がキャベツを収穫するときは僕はいつも見に行ったんだ。 ペムペルがキャベツの太い根を切って畑に転がすと、ネリは両手でそれを取って水色に塗られた一輪車に入れるんだ。そして2人で車を押して黄色のガラスの納屋にキャベツを運んだんだ。青いキャベツが転がってるのはすごく立派なんだよ。 そして2人はたった2人だけすごく楽しく暮らしてたんだ」
「大人は近くにいなかったの?」
「大人は近くに1人もいなかったんだ。ペムペルとネリの兄妹2人だけで楽しく暮らしてたから」
「でも本当にかわいそうよ。ペムペルっていう子は本当にいい子だったのにひどいことをしたわ。ネリっていう子も本当に可愛い女の子だったのにかわいそうな目に遭ったわ」
原文 (会話文抽出)
「お早う。蜂雀。ペムペルという人がどうしたっての。」
「ええお早うよ。妹のネリという子もほんとうにかあいらしいいい子だったのにかあいそうだなあ。」
「どうしたていうの話しておくれ。」
「話してあげるからおまえは鞄を床におろしてその上にお座り。」
「ペムペルとネリは毎日お父さんやお母さんたちの働くそばで遊んでいたよ〔以下原稿一枚?なし〕 その時僕も『さようなら。さようなら。』と云ってペムペルのうちのきれいな木や花の間からまっすぐにおうちにかえった。 それから勿論小麦も搗いた。 二人で小麦を粉にするときは僕はいつでも見に行った。小麦を粉にする日ならペムペルはちぢれた髪からみじかい浅黄のチョッキから木綿のだぶだぶずぼんまで粉ですっかり白くなりながら赤いガラスの水車場でことことやっているだろう。ネリはその粉を四百グレンぐらいずつ木綿の袋につめ込んだりつかれてぼんやり戸口によりかかりはたけをながめていたりする。 そのときぼくはネリちゃん。あなたはむぐらはすきですかとからかったりして飛んだのだ。それからもちろんキャベジも植えた。 二人がキャベジを穫るときは僕はいつでも見に行った。 ペムペルがキャベジの太い根を截ってそれをはたけにころがすと、ネリは両手でそれをもって水いろに塗られた一輪車に入れるのだ。そして二人は車を押して黄色のガラスの納屋にキャベジを運んだのだ。青いキャベジがころがってるのはそれはずいぶん立派だよ。 そして二人はたった二人だけずいぶんたのしくくらしていた。」
「おとなはそこらに居なかったの。」
「おとなはすこしもそこらあたりに居なかった。なぜならペムペルとネリの兄妹の二人はたった二人だけずいぶん愉快にくらしてたから。 けれどほんとうにかあいそうだ。 ペムペルという子は全くいい子だったのにかあいそうなことをした。 ネリという子は全くかあいらしい女の子だったのにかあいそうなことをした。」
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