林不忘 『元禄十三年』 「いかさま、見事――眼の果報じゃ。」…

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青空文庫図書カード: 林不忘 『元禄十三年』

現代語化

「マジやばくね、これ?スゲーな、お前。」
「だって、めっちゃこだわって作ったんだもん。この扇子の色、スゴくない?本物だし、研ぎも俺自慢の蘭法で、最新のやつでさ。職人泣かせだったよ、マジ。」
「確かにスゴいな。」
「吉良の殿様、何でこんなスゲーもん注文したんだろ?」
「噂だけどさ、妾が言うこと聞かなくて、変なの考え出したんだって。それで、これができたら、なーんてね。殿様もずっと我慢してたみたいだよ。ざまぁみろ。だから、値段は気にせず、早く早くって。」
「松もめちゃ上手いな。」
「細かい松じゃん。すげー細工だよね。これで、松の数、三万三千三百三十三って、ホント?」
「本当ですよ。虫眼鏡で数えてみて下さい。殿様が待ってるから、持って帰ります。」
「見れば見るほど上手いなぁ。殿様も絶対喜ぶよ。代金は後から屋敷まで取りに行きます。」
「いつでもいーよ。」
「あ!やべー」
「何してんだ!直すのに何日かかると思ってるんだよ!」
「ミスっちゃった。ごめん!」

原文 (会話文抽出)

「いかさま、見事――眼の果報じゃ。」
「なにしろ、凝ってこって凝り抜いたもんでわしょう? どうですい、この扇骨の色は。十本物だが、磨きは、自慢じゃあねえが、蘭法でも、ちょいと新しい式でね、いや、職人泣かせでしたよ、まったく。」
「うなずかれる――。」
「吉良のお殿様が、何を思いたって、こんな途方もねえものをお誂えになったか知らねえが――。」
「噂ですぜ。うわさだから、間違ったらごめんなさい。お妾が、いうことを肯かねえで、こんな変ったものを考え出して、それができたら、へへへへ――するてえと、今まで殿様あお預けを食ってらしったんですね。ざまあねえや。道理で、値は構わねえから、早く、早くと――。」
「松がまた、よく描けておるな。」
「細かい松じゃな。うむ、どこからどこまで、いい細工だて――これで、松の数は、三万三千三百三十三あるのか。」
「ございますとも。虫眼鏡で、お算え下さいまし――殿様がお待ちかねです。あっしも、もうすこし、ゆっくり見ていてえが、お持ち帰り願いましょう。」
「見れば、見るほど精巧なる出来栄に、殿も、およろこび下さろう。代は、後から屋敷へ取りにまいれ。」
「ええ、そんなもの、いつだって――。」
「お! これは、とんだ――。」
「何をしやがる! 直すのに、また何日かかると思うんだ――。」
「粗相だ。許せ!」

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