長塚節 『土』 「箆棒、おつ嵌めんなもんぢやねえ、それ厭だ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 長塚節 『土』

現代語化

「くそ、捕まえてやるなよ。嫌なら金を出せよ。金、な? 金を出さないつもりなら泥棒より卑怯だよ。西の親父たちはぐずぐずしてるから、固いんだ」
「だからそうなるんだよ。博労で蔵を建てたやつなんていないだろうが。罰が当たるんだ」
「どうしたの? でも前の白はよかったよね? あれを打てば? ああ、西の親父さん。白は徴発されないよ」
「いいからさ。それより、そんなにひどいこと言わないでよ。米を一俵打たせてもらうよ」
「それではだめだよ。あの馬は六銭の横乗せ馬車を引いてきたんだぞ。血統書まであるんだよ。ああ、あいつの手には負えないよ」
「何言ってんだお前。牡馬と牝馬だけの血統書だろ? そんなもの何の役にも立たないよ。俺が知らないと思ってるのか? 俺、白河の市で聞いたんだ」
「博労をうまく育てられないようだな。よし、じゃあ俺が一つ打ってやるよ」

原文 (会話文抽出)

「箆棒、おつ嵌めんなもんぢやねえ、それ厭だら錢出せよ錢、なあ、錢出さねえ積すんのが泥棒より太えんだな、西のおとつゝあ等躊躇逡巡だから、かたで」
「そんだから見ろえ、博勞で藏建てた奴あ有りやしねえ、罰たかつてつから」
「どうした、そんだが此間の白は善かつたんべ、彼れさ打てな、あゝ西のおとつゝあ、白ぢや徴發はさんねえぞ」
「えゝから、それよりか、そんなに不廉えこと云はねえで、なあ、米一俵打つべえぢやねえか」
「徒勞だよそんぢや、あんでも六錢の横薦乘つけて曳いて來たんだぞ、血統證まで有んぞ、あゝ、彼の手はねえぞ」
「何んでえ汝がまた、牡馬と牝馬だけの血統證だんべ、そんなもの何に成るもんぢやねえ、俺れ知らねえと思つて、俺ら白河の市で聞いてらあ」
「博勞うまく練れねえ樣だな、ようしそんぢや俺れ一つ打つてやんべ」


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