長塚節 『土』 「桑の間でかう出來つかな、そりやさうと何處…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 長塚節 『土』

現代語化

「桑畑でこうはできないね。そういえばどこで作ったの?」
「裏の垣根の外さ。土は固めで赤っぽいけど、掃き溜めをいっぱい掘って入れておいたところだから、それが効いたみたいだよ。意外に土地は悪くないんだよ。こんなものを作っても桑には悪くないでしょ?」
「大丈夫だよ。馬鈴薯が大きく育つということは、その肥料が桑にも効くってことだから。いや、桑の根っこが遠くまで伸びるくらいで、肥料の方に向かって一直線に伸びてくるからね」
「これだとどのくらい収穫できると思う? 一つの株で一升くらいはできるよ」
「うん、そうかな? そうすると結構良いものだね」
「よく牛蒡は保存できたね」
「いや、踏んで固めたところに埋めておけば大丈夫だよ。うちでは田植えまでには庭に埋めておくよ」

原文 (会話文抽出)

「桑の間でかう出來つかな、そりやさうと何處さ作つたんでえまあ」
「裏の垣根外さ、土はかたで赤つぽうろくだが、掃溜みつしら掘つ込んで置いた處だから、其れが出たと見えんのさ、思ひの外土地は嫌あねえもんだよ、此んなもんでも作つちや桑にや惡かんべが」
「大丈夫だとも、馬鈴薯が大かく成る樣ぢや其肥料は桑も吸ふから、いや桑の根つ子の遠くへ踏ん出すんぢや魂消たもんだから、目も有りもしねえのに肥料の方へ眞直にずうつと來つかんな」
「此れでどの位殖えるものだと思つたら一ツ株で一升位づゝも起せるよ」
「うむ、さうかな、さうすつと割の善えもんだな」
「能く牛蒡は保たせたつけな」
「なあに、踏ん固める處へ活けてせえ置けば大丈夫なものさ、俺ら家や田植迄は有るやうに庭へ埋めて置くのよ」


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