GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「「八州様のお使いって」」
「「この辺を巡回してる役人です」」
「「役人に調べられるようなことはしてないけど」」
「「それで困ってるんですが、さっきお馬で来られた若い侍さんに会いたいってことで、店に来たんです」」
「「えっと、さっきお馬で来たのは、俺だけのはずなんだけど……」」
「「そうです。他にお馬で来られた方もいますが、若い侍さんって言うと、あなたしかいません」」
「「俺に何の用なのかな。会いたくはないな」」
「「それでも、ちゃんとあなたの後をつけて来たみたいなので、よそ者とは違って断るわけにもいかず、困ってるんです……」」
「「じゃあ、仕方ねぇな。会おう。連れてきてください」」
原文 (会話文抽出)
「お客様、まことに恐れ入りまする、八州様の御用が参りました」
「八州様の御用とは?」
「この辺をお見廻りのお手先でございます」
「役人に調べられるような筋はないが」
「さあ、どういうわけでございますか、先刻お馬でお着きになった若いお武家の方にお目にかかりたいと申して、店へお出向きになりましてございます」
「はて、先刻馬で着いたといえば、どうやらわし一人のような……」
「左様でござりまする、ほかにお馬でお着きになったお方もござりますれど、若いお武家様とおっしゃられると、あなた様のほかにはござりませぬ」
「わしに何の用向きか知らんが、会いたくないものじゃ」
「それでも、ちゃんと、おあとを見届けておいでになったものでございますから、外様と違いまして、お断わり申すことはできないので困っておりまする……」
「そんならぜひもない、会いましょう、これへお通し下されたい」