GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「「落ち着きがない人だね。足に自信があるからって、そんなに飛び回ってたら大変だよ」」
「「仕方がないんだよ。俺の体質だから」」
「「あ、そうだ。鳥沢に行くんなら、お客さん1人を案内してくれないかな。若いお侍さんだけど、手形をなくしちゃって困ってるみたいで。抜け道を知らないかって私に聞いてきたくらいだから、旅慣れてない初心者みたいな若いお侍だよ」」
「「なるほど。案内してやってもいいけど、俺たちみたいに後に困らないか。もし困らないなら、事情を話してくれたら教えてあげてもいいよ」」
「「事情があるみたいだよ。手形をなくしたっていうのは嘘で、持たずに逃げ出してきたみたい。追手が来てるみたいで外にも出られないし、隠れてるみたいだから可哀想なんだ。優しい女の子みたいな侍だから、助けてあげてよ」」
原文 (会話文抽出)
「それじゃ、今夜は泊り込むとしよう、だが明日の朝は、また鳥沢まで行かなくちゃあならねえのだ」
「ほんとうに落着かない人だ、いくら足が自慢だからと言って、そうして飛び廻ってばかりしているのも因果な話」
「どうも仕方がねえや、こうしてせわしなく出来ている身体だ」
「あ、そりゃそうとお前さん、鳥沢へ行くのなら、お客様を一人、案内して上げてくれないか、まだお若いお侍だけれど、手形を失くしてしまって困っておいでなさる様子、抜け道を聞かしてもらいたいとわたしに頼むくらいだから、ほんとうに旅慣れない初心な女のような若いお侍だよ」
「なるほど、そりゃ案内してやっても悪くはねえが、こちとらと違って、あとで出世の妨げになってもよくあるめえからな、それを承知で、よくよくの事情なら、ずいぶん抜け道を案内してやらねえものでもねえ」
「そりゃお前さん、よくよくの事情があるらしいね、手形を失くしたというのは嘘で、持たずに逃げ出して来たんだね、それで、どうやら追手がかかるものらしく、外へも出ないで隠れている様子が、あんまり痛々しいから、お前さん、ひとつ助けておやりよ、女のような優しいお侍だからかわいそうになってしまう」