GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「「向岳寺の尼寺から、八幡村の江曾原まで人を送ってくれ」」
「「向岳寺の燈外庵に最近泊まってる若い女がいるんだけど、燈外庵の坊主が困ってんだよ――尼寺ってのは、罪を犯した女でも匿ってる間は誰も文句言えないんだろ。でも、その尼寺で困ってる女っていうのは……実はお前だから言うけど妊娠してるんだ」」
「「それだから、尼寺でも困ってるんだ。そこで出産させるわけにもいかないし、預けるところを探してるんだけど……」」
原文 (会話文抽出)
「お前さんに一つ頼みがある」
「向岳寺の尼寺から、八幡村の江曾原まで人を送ってもらいたい」
「向岳寺の燈外庵へこのごろ泊った若い婦人がある、燈外庵の庵主は、その若い婦人を預かるには預かったけれども始末に困っている――尼寺というところは、罪を犯した女でも、一旦そこへ身を投じた以上は誰も指をさすことはできないのだが、その尼寺でもてあましている女というのは……実は、お前さんだから話すが身重になっている――」
「それじゃによって、尼寺でも始末に困る、あの寺でお産をさせるわけにはゆかない、よってどこぞへ預けるところはないかと、わしがところへ相談に来た、そこで、わしが思い当ったことは、この八幡村の江曾原に小泉という家がある、そこへその女を連れて行って預けるのだが……」