中里介山 『大菩薩峠』 「お前、江戸に親類があるって?」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』

現代語化

「「お前、江戸に親類がいるのか」」
「「俺の親類は下谷にあります」」
「「下谷? 俺たちもその下谷に行く予定なんだけど、下谷ってどこだ」」
「「下谷は長者町ってところです」」
「「おや、下谷の長者町。俺たちがこれから行くところも下谷の長者町なんだ」」
「「そうですか。あなたも長者町に親類がいるんですか」」
「「親類ってわけじゃないけど、世話になった人がいるんだ」」
「「そうですか。で、あなたが行くお家の商売は何ですか」」
「「商売は医者だ」」
「「おや、俺の親類も医者です」」
「「なんだって。お前も同じ町内の同じ医者なのか。で、どこのお医者さんなんだ」」
「「道庵先生です」」
「「道庵先生だって」」
「「そうです」」
「「俺たちが行くのも道庵先生の家なんだ」」

原文 (会話文抽出)

「お前、江戸に親類があるって?」
「俺の親類は下谷にあるんでございます」
「下谷? 俺らもその下谷へ訪ねて行こうと思うんだが、下谷はどこだい」
「下谷は長者町というところなんでございますよ」
「おや、下谷の長者町。俺らのこれから尋ねて行こうというところもやっぱりその下谷の長者町なんだが」
「そうでございますか、お前さんもその長者町に親類がおありなさるんでございますか」
「親類というわけじゃねえんだけれども、ちっとばかり世話になった人があるんだ」
「そうでございますか。そうしてお前さんの訪ねておいでなさるお家の商売は何でございますね」
「商売は医者だ」
「おやおや、俺の親類もお医者さんでございますよ」
「何だって。お前も同じ町内の同じお医者さん、それで名は何というお医者さんだい」
「道庵先生」
「道庵先生だって」
「そうでございますよ」
「俺らの尋ねて行くのもその道庵先生の許なんだ」


青空文庫現代語化 Home リスト