中里介山 『大菩薩峠』 「わしはその敵討というのが大嫌いじゃ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』

現代語化

「「敵討ちとかって奴、マジ嫌いなんだ」」
「「じゃあ、悪い奴をそのままにしておけばいいんですかね」」
「「いい」」
「「そうすると、いい人たちが苦しんで、悪くない人たちが大変な目に遭って、社会は腐って、武士道もなくなってもいいんですか」」
「「別に」」
「「それは意外ですね」」
「「この世で敵討ちほどくだらないことはないし、忠臣とか孝行息子とか褒めてる奴ムカつく」」
「「和尚さん、冗談でしょ」」
「「冗談じゃないよ。敵討ちの話聞くと、虫唾が走るくらい気持ち悪い。誰が流行らせたのか知らんけど、そのせいでアホな奴がさらにアホになってる」」
「「和尚さんは世の中のこと知らなくて、こんなこと言うけど、人を傷つけられたり恨んだりしてる人の気持ちになって考えてみてくださいよ」」

原文 (会話文抽出)

「わしはその敵討というのが大嫌いじゃ」
「しからば悪人を、いつまでもそのままに置いてよろしいか」
「よろしい」
「それがために善人が苦しめられ、罪なき者が難渋し、人の道は廃り、武士道が亡びても苦しうござらぬか」
「苦しうござらぬ」
「これは意外な仰せを承る」
「この世に敵討ということほどばかばかしいことはない、それを忠臣の孝子のと賞める奴が気に食わぬ」
「和尚、御冗談をおっしゃるな」
「冗談どころではない、わしは敵討という話を聞くと虫唾が走るほどいやだ、誰が流行らせたか、あんなことを流行らせたおかげに、いいかげん馬鹿な人間が、また馬鹿になってしまった」
「和尚は、世間のことにあずからず、こうしてかけ離れて暮しておらるる故、そのような出まかせを申されるけれど、現在、恥辱を受け、恨みを呑む人の身になって見給え」


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