GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「それにしてもすごい霧ですね。鼻をつままれても自分がどこにいるのかわかんないですよ。出くわすまでは気づかないもんなんですから、困った晩です。そういえばこの屋敷は、駒井能登守殿のお屋敷ですか?」
「そうです。実は俺たちは、今さっきまで怪しいやつを追いかけてきたんですけど、この辺りでそのあとが消えたんです」
「それはそれは。実は俺たちも、お花畑のあたりから怪しい足音を追いかけてきたんですけど、ここら辺でその足音が消えちまったんです」
原文 (会話文抽出)
「や、これはこれは、御同役、お役目御苦労に存ずる」
「なんにしても深い靄でござるな、鼻を摘まれても知れぬと言うけれど、これは鉢合せをするまでそれとは気がつかぬ、始末に悪い晩でござるわい。それはそうとこのお屋敷は、これは御支配の駒井能登守殿のお屋敷ではござらぬか」
「いかさま、これは能登守殿のお屋敷じゃ。実は我々共、たった今ここまで怪しいものを追い込んで参ったのでござるが、この辺でその跡が消えたのでござる」
「それはそれは。実は我々共も、お花畑の外よりどうやら怪しげな人の足音を追いかけて、ここまで来てみるとその足音が消え申した」