GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「甲府にはいるよ」
「マジ?そんな人が甲府にいるの?だったら弟子入りしたいんだけど」
「甲府にはいるけど、居場所が知れないから紹介できないんだよ」
「居場所が知れない?甲府近郊ならどこでもいいから、会いに行きたいんだけど」
「俺たちが行けない場所だし、あの人も俺たちのとこには来れないからしょうがない」
「そんな場所あるわけないでしょ」
「ぶっちゃけ、甲府の牢屋にいるから俺たちが会えないし、あの人も出てこれないんだ」
「甲府の牢屋に、少年で剣道の達人なんているの?一体誰で、何で捕まってるの?」
「宇津木兵馬って人で、御金蔵破りの容疑で牢屋から出られないらしい。江戸で島田虎之助って先生の門人で直心陰を学んで、宝蔵院の槍の極意も極めたんだって。突に関してはお膝元でも敵はいないらしいよ」
「そんなにすごい人が御金蔵破りなんて?絶対冤罪だよね。俺たちの力でどうにかして無実を証明する方法はないかな?」
原文 (会話文抽出)
「そんな人がどこにいる」
「この甲府にいるにはいる」
「ナニ、左様な人が甲府にいると? それならば教えを受けたいものだ、ぜひ」
「甲府にいるにはいるけれど、居所が変っているから、お紹介をするわけにはゆかんのじゃ」
「居所が変っていると? およそこの甲府の附近であったなら、どこでも苦しくない、行って教えを受けようじゃないか」
「それは我々には行けないところ、先方もまた我々に来られないところだから仕方がない」
「そのようなところがあろうはずがない」
「畢竟、この甲府の牢屋の中にいるのだから我々には会えん、また先方も出て来られんのだ」
「甲府の牢屋の中に、まだ少年でそしてそれほどの剣道の達者がいると? いったいそれは何という者で、何の罪で牢獄に繋がれたのじゃ」
「それは宇津木兵馬といって、御金蔵破りの嫌疑があって、牢から出られない。聞くところによれば、江戸で島田虎之助という先生の門人で直心陰を学び、それから宝蔵院の槍の極意に達し、突にかけては甲府城の内外はおろか、お膝元へ出ても前に立つ者は少なかろうとのこと」
「それほどの人が、御金蔵破り? そりゃ冤罪であろう、我々の力でどうかしてその冤罪を晴らしてやる工夫はないものかな」