GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「あの、別に大したことじゃないんですけど、ちょっとお尋ねしたいことがありまして。うちの嫁さんのことなんですけど、まだ若いし愛嬌のある女房なんです」
「それで、そのお嫁さんがどうしたって言うんだい?」
「それがどこに行ったのかわかんなくなっちゃって。嫁が逃げちゃったら困るんですよね。愛嬌があって人懐っこい女房で、近所の人にも評判がよかったし、俺との仲もよかったんです。それが急に姿を消しちゃって。心配だし、子供も泣いちゃってるんで、なんとか帰ってきてほしいんです」
「知らねえよ」
「そうなんですか?でも噂では、良円寺前で斬られたって話なんですけど。そんなことあるわけないですよね?」
原文 (会話文抽出)
「何を聞きたいのだ」
「あの、ほかではございませんがね、少々お尋ね申したいと言いますのはね、それは私の女房のことなんでございますよ、私の女房はまだ若くって、なかなか愛嬌があるおかみさんなんでございますよ」
「その私の女房でございますがね、それはどこへ行ったんでございましょう、どうもあの女房に出られては、私も困るんでございますがね、なかなか愛嬌があって人好きのする女でございますものですからね、近所の人もみんな賞めてくれましたんでございますよ、それで私との仲も好かったんでございますよ、それが急に見えなくなってしまったものでございますから、私も心配なのでございますよ、それに坊やがこうやって泣くものでございますからね、どうかしてモウ一ぺん帰って貰いたいと思うんでございますよ」
「わしは知らない」
「左様でございますか、なんでも人の話では、良円寺前で斬られたということでございますが、そんなことがあるものでございますか、ねえ、旦那、そりゃ嘘でございますねえ」