中里介山 『大菩薩峠』 「ははあ、それは一大事じゃ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』

現代語化

「ははあ、それは大ごとだ」
「これで長州も滅びる」
「いやいや、そう簡単にいかないよ」
「どうして」
「長州にも、2つの派閥があるはずだ」
「そうだね」
「それで幕府に謝罪する派閥もあるだろうけど、それで納得しない奴もいるはずだ」
「そうだね」
「例の、高杉晋作が作った奇兵隊というのがあってね、そこの連中は黙って引き下がらないよ」
「なるほど」
「あなたは高杉を知ってるか」
「知らない」
「古い人は知らないか、若い人の中では、あいつが一番の男だ。あいつが作った奇兵隊というのは、他の藩には、ちょっとないものだ」
「うん、うん」
「長州には奇兵隊があるし、薩摩には西郷吉之助みたいなのがいる、長州が本気で戦うなら薩摩は黙ってない、薩摩と長州が組んだら天下のことはわかる」
「面白くなるのかな」
「面白くなるに決まってるけど、どっちも身動きが取れない」
「南条――」

原文 (会話文抽出)

「ははあ、それは一大事じゃ」
「これで長州も寂滅」
「いやいや、そう容易くはいくまいよ」
「どうして」
「長州の中にも、二派あるはずじゃ」
「左様」
「そうして幕府に恐れ入ってしまうのもあるだろうが、なかなかそれで承知のできぬ奴もあるはずじゃ」
「左様」
「例の高杉晋作がこしらえた奇兵隊というのがある、あの辺のところが黙って引込んではいまいよ」
「なるほど」
「君は高杉を知っているか」
「知らん」
「老物は知らん、若手では、あれが第一の男よ。あれのこしらえた奇兵隊というのは、他藩には、ちょっと類のないものじゃ」
「うむ、うむ」
「長州には奇兵隊があり、薩摩には西郷吉之助のようなのがある、長州が本気で立てば薩摩が黙っていない、薩摩と長州とが手を握れば天下の事知るべし」
「面白くなるのだな」
「それは面白くなるにきまっているけれど、おたがいに籠の鳥だ」
「南条――」


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