中里介山 『大菩薩峠』 「お前はよくねえ癖がある、今のうちは子供で…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』

現代語化

「お前はいい癖があるな。今は子供だから許されるけど、年を取るとそうはいかない。その癖を止めろ。やめなければこの家から追い出すぞ」
「旦那様、私たちは何かを見ると盗みたくなって我慢できなくなるんです。盗めば気が済むんです。だからみんな子供にやらせてます。悪い気持ちで盗むんじゃないんです。どうか勘弁してください」
「あきれた奴だな。悪い気持ちじゃないって、善い気持ちで盗まれてたまるか……わかった。そんなに盗みたいなら、今夜私の部屋に忍び込んで、私の膝元に金包を置くから、それを盗んでみろ。もし見つけたら私がこの刀で切り捨てるがどうだ?」
「わかりました旦那。夜明けまでには必ず盗み出してみせます」
「生意気なことを言うな……わかったか?盗めなければ命はないぞ」

原文 (会話文抽出)

「お前はよくねえ癖がある、今のうちは子供で済むが年を取るとそうはいかぬ、その癖をやめろ、やめねえけりゃこの家を逐い出すからそう思え」
「旦那様、俺らは何か見ると盗みたくなってたまらねえ、盗んでしまえば気が済みます、だからみんな子供にやっちめえます、悪い気で盗むじゃねえから、どうか堪忍して下さい」
「あきれた野郎だ、悪い気でなく、善い気で盗まれてたまるものか――よし、それほど盗みたいなら七公」
「今夜おれの座敷へ忍んで来て、俺の膝元へ金包を置くから、それを盗んでみろ、もし見つけたら俺がこの刀で叩き切っちまうがどうだ」
「いいとも旦那、明け方までにはきっと盗んで見せまさあ」
「生意気なことを言う奴だ――いいか、盗み損ねたらホントに命はないぞ」


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