GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「これが、このお嬢さんのお爺さんから私が預かったお金です。わざわざ広げなくてもいいんですけどね。お金が欲しいだけならわざわざ持ってきたりしませんよ――ところで」
「親戚を名乗って訪ねてきたのに、家に通さず、見知らぬ人と一緒だと言って追い出すお宅に、無理にお願いしてこの娘さんを置いて帰っても、その後のことが心配です。こうやって連れてきてみると、全く他人にも思えませんので、よろしければ、当家とは縁のないものなら私と縁のあるものでしょう。今日から私が引き取ります。どうかあとで文句を言わないように」
「なあお松坊、そういうことだから、ここはおじさんと帰るよ」
原文 (会話文抽出)
「お金が欲しいのでお邪魔に上ったように取られては私も残念でごぜえますから、念のためにこの子の死んだお爺さんというのから、お預かり申した金をここでお目にかけます」
「これが、このお娘子のお爺さんから私が預かりましたお金でございます、ナーニ、ここへ拡げなくてもよいわけでございますが、お金が欲しいくらいならわざわざこうして持って参りは致しません――ところで」
「せっかくこうして親類の名乗りをして尋ねて来たものを畳の上へもお通しなされず、見ず知らずとおっしゃって追い出すお家へ、御無理にお願い申してこの娘さんを置いて帰りましたところで行く末が案じられます。こうやってお連れ申してみればマンザラ他人のような気も致しませんから、よろしゅうございます、御当家に縁のないものなら私に縁のあるものでごぜえましょう、今日から私が貰い受けましょう、どうかあとあとのところを苦情のねえように」
「なあお松坊、そういうわけだから、ここはおじさんと帰るさ」