GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「そんなはずはないわ」
「そんなはずがありませんよ。このお内儀さんは私の母の姉なんです。顔を見ればわかるはずです」
「この娘さんもそうおっしゃってます。奥様に一度お目にかかればすぐわかるでしょう」
「でも、奥さんが知らないとおっしゃるものを私がどうすることもできないじゃないか」
「伯母さんに会えばすぐわかりますよ。小さい頃にお芝居に連れて行ってもらったこともあるんです」
「実は、このお嬢さんとそのお爺さんが甲州裏街道の大菩薩峠で困っているところを私が通りかかって助けてきたんですが、このお嬢さんも頼れる人がここしかいないそうなんです。お気の毒なので連れてきたんですけど。もう一度奥さんに取り次いでもらえないでしょうか?」
原文 (会話文抽出)
「番頭さん、お内儀さんのおっしゃるにはねえ、本町の刀屋さんなんてのは聞いたことも見たこともないって。だからそのお娘さんなんて方には近づきがないから、どうかお帰りなすって下さるように、そう申し上げて下さいと」
「そんなはずはないのよ」
「そんなはずはありませんよ、こちらのお内儀さんは、わたしのお母さんの姉さんだもの、面を見ればわかるのよ」
「この娘さんもあのように申します、奥様に一度お目にかかればすぐおわかりになりましょう」
「だって、お内儀さんが知らないとおっしゃるものを仕方がないじゃないか」
「伯母さんに会えばすぐわかるのよ、小さい時お芝居へ連れて行っていただいたこともあるのだもの」
「実は、このお娘御とおじいさんとが甲州裏街道の大菩薩峠と申しまするところでお難儀をなすっているところを、私が通りかかってお連れ申したわけで、このお娘さんも頼る方といっては、こちら様ばかりだそうで、いかにもお気の毒ですから御一緒にやって参りましたわけで、どうかもう一度、奥様にお取次を願います」