中里介山 『大菩薩峠』 「賛成賛成、裏口から廻って見て参られい」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』

現代語化

「賛成賛成、裏口から回って見に行こ」
「見に行ってきました。たしかに見ました」
「どんな女だ」
「あれは和田の宇津木文之丞さんの奥さんで、しかも評判の美人で……」
「なんだって、和田の宇津木の女房か?さっきは妹だと言ったじゃないか」
「いいえ、妹さんじゃありません。まだ内縁で、甲州の八幡村からこの間来たばかりの人です。発明家で美人で、お里が金持ちで評判らしいです。私は八幡にいた時からよく見てました」
「文之丞の女房がなんで妹って名乗ってうちの若先生を訪ねてきたのか、わけがわからん」
「あ、若先生が帰ってきた」

原文 (会話文抽出)

「賛成賛成、裏口から廻って見て参られい」
「見届けて参りました、確かに見届けて参りました」
「どのような女子じゃ」
「あれは和田の宇津木文之丞様の奥様でござりまする、しかも評判の美人で……」
「ナニ、和田の宇津木の細君か、さいぜん妹だというたではないか」
「いいえ、お妹御ではございませぬ、まだ内縁でございまして甲州の八幡村からついこの間お越しのお方、発明で、美人で、お里がお金持で評判もの、私は、八幡におりました時分から、篤とお見かけ申しました」
「文之丞の細君が何故に妹と名乗って当家の若先生を訪ねて来たか、それが解せぬ」
「あ、若先生のお帰り」


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