GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 中里介山 『大菩薩峠』
現代語化
「へえ、大菩薩で辻斬り……」
「年寄りの巡礼が一人生首やられたんだって。甲州から来た人が噂してるんだ」
「ひどい話だなあ、年寄りの巡礼が」
「最近の強盗騒ぎといい、また辻斬りかよ。物騒すぎだろ」
「そうなんだよ。この街道だけじゃなく、秩父、熊谷から上州、野州にかけて毎日強盗騒ぎが起こってるんだって。しかも手口が同じなんだそうだ」
「確かに。そんな大泥棒の正体が一人も捕まらないなんて、警察の恥だ」
「でもな、この沢井村周辺に限っては、強盗も辻斬りもないんだよ」
「それってやっぱり沢井道場の影響だろうな」
「さあ、手ぶらの一本勝負」
「了解。先生の見本どおりに」
「沢井道場自慢の無音勝負」
原文 (会話文抽出)
「お聞きなされましたか、昨日とやら大菩薩に辻斬があったそうにござります」
「ナニ、大菩薩に辻斬が……」
「年とった巡礼が一人、生胴をものの見事にやられたと甲州から来た人の専らの噂でござりまする」
「やれやれ年寄の巡礼が、無残なことじゃ」
「近頃の盗人沙汰と言い、またしても辻斬、物騒千万なことでございますな」
「左様、なにしろこの街道筋は申すに及ばず、秩父、熊谷から上州、野州へかけて毎日のように盗人沙汰、それでやり口がみな同じようなやり口ということでございます」
「いかにも。それほどの盗賊に罪人は一人もあがらぬとは、八州の腹切ものだ」
「それにしても、この沢井村界隈に限って、盗賊もなければ辻斬もない、これというも、つまり沢井道場の余徳でありますな」
「さて、道具無しの一本」
「心得たり、若先生の型を」
「沢井道場名代の音無しの勝負」